14世紀の天文時計が見られるスウェーデンのルンド大聖堂(Lunds domkyrka)
スウェーデンの南部の町ルンドは北欧最大の大学であるルンド大学を誇り、人口の四割ほどが学生と学校関係者である「学園都市」として知られています。
日本ではあまり有名ではありませんが、かつては西の都のロンドンに対して東の都と称された北欧の文化や宗教の中心地であった場所です。
この街の象徴であるルンド大聖堂は12世紀半ばに建てられた歴史ある教会で、14世紀に作られた不思議な天文時計が動く姿を今でも見る事ができます。
それでは、スウェーデンの古都ルンドを訪ねてみましょう!
スウェーデン南部のスコーネ県にあるルンド(Lund)は、デンマークのコペンハーゲンから電車で1時間ほどで訪れることができるので、日帰り観光でも人気のスポット。
徒歩で十分に巡れるほどの小さな町ですが、ルンドの歴史は古くデンマーク領だった時代の990年頃に設立されました。この時期の北欧ではヴァイキングの活動が盛んでしたが、徐々にキリスト教の普及も進みました。
12世紀始めに北欧最古の都市の一つであったルンドに大司教座が置かれ、12世紀中旬にルンド大聖堂(Lunds domkyrka)が完成しました。
重厚感のある黒ずんだ石造りの大聖堂は、長い歴史を感じさせます。北欧で見られる最大規模のロマネスク様式の建築です。
教会に入ってすぐに目に入るのは、14世紀に制作された巨大な天文時計。
時計の上の部分は24時間の時間帯、月の位置や満ち欠け、星座、太陽が沈む位置などが分かるようになっています。
毎時ちょうどに戦う騎士のからくり人形にも注目。
大聖堂の名物は12時と15時に仕掛けが動く天文時計です。時計の後ろに隠れている小さなオルガンの音が中世の讃美歌を演奏し、赤子のイエスを抱くマリアの周りを聖人たちが行進します。
14世紀の時計が現在まで動き続けていることに感動を覚えますが、長い歴史の中で100年近くの間は解体され、小さな部屋で眠っていました。
天文時計はオリジナルの部分と後に付け足された部分があり、上部の時計部分はオリジナルの物で、下の暦の部分は20世紀初頭に作られました。
暦の部分をよく見てみると、1923年から2123年までのカレンダーが書かれており、イースターなどの毎年異なる重要な行事が何年度の何月何日になるのか一目でわかるようになっています。
カレンダーの左にいる老人が棒で指している先を見ると、この日の日時である10月2日が示されています。
人間の生涯の何倍もの長い時間の中で、時を刻み続けてきたこの天文時計を見ると、感慨深いものがあります。
ところで、この写真は時計のからくりが動く12時に撮影しましたが、針が11時を指しているのはなぜだと思いますか?
理由はスウェーデンはサマータイム(夏時間)を導入しており、時計はそれらに関係なく冬時間を示しているからです。
今年、EUはサマータイム制度の廃止を提案する準備に入ったので、この時計の時間のズレは、将来は懐かしいものになるかもしれません。
ぜひ、スウェーデンやデンマーク旅行の際には、美しい天文時計が見られるルンド大聖堂に立ち寄ってみてください。
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名前 ルンド大聖堂(Lunds domkyrka)
住所 Kyrkogatan 4, 222 22 Lund, Sweden
アクセス ルンド中央駅から徒歩10分
営業時間 9時半〜17時/ 天文時計:月〜土曜日12時と15時、日曜日13時と15時
公式サイト http://lundsdomkyrka.se/english/
料金 無料