『おっさんずラブ』3人衆を直撃!林遣都がリアルに「ラブを感じた」田中圭の姿とは
恋する男たちの笑って泣けるLOVEバトルが話題の連ドラ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系毎週土曜夜11時15分〜)。イケない三角関係に発展する田中圭、吉田鋼太郎、林遣都によるドキドキの座談会の様子を一挙公開――!
「妻が腹を抱えて爆笑してます」
─反響の多いドラマですが、実感はされていますか?
田中 普段は僕のドラマを見ても連絡をしてこない人から“よかった”“面白かったよ”と、わざわざ電話をもらったりしてうれしかったですし、尊敬している方からも連絡をいただいたりして励みになっています。
吉田 まずは、妻が腹を抱えて爆笑して見ています。それから街で声をかけられるときに以前は“『花子とアン』の吉田さんですか”“『MOZU』の吉田さんですか”と言われていましたが、今は90%“『おっさんずラブ』見ています”ですね。
ツイッターなんかでは“設定がテレビ向きではないのに、大英断”“見たらこんなに面白いとは思わなかった”と。こういう設定(男性同士の恋愛)は企画されても、実際ドラマにしたらどうなのかと。
それが、こんなに面白い作品になるのかという意外性、あるいは思っていた以上なのか、そういう思いがいろんな反響になっているんだと思います。
林 今回、出演するにあたって前回の深夜スペシャル(’16年12月放送)を見させていただきました。そのときもすごい反響があって、それが連続ドラマになる。単発スペシャルもめちゃくちゃ面白かったです。オリジナル作品で挑戦的な部分もある。
そのチームに参加するのは、ちょっと不安もありましたが、圭くん、鋼太郎さんとお芝居ができる楽しみのほうが大きかったし、新しい作品としてやりたいと思って臨みました。
放送後は、僕の周りでも楽しみに見ている人が多くて、同世代の役者仲間には“面白いことやっているな、悔しい”みたいなことを言われました。
─アドリブは?
田中 あります。作為的というよりも、そのシーンの撮影が盛り上がって自然と出てしまうことはたくさんあると思います。2話の喧嘩シーン(春田をめぐって部長と牧が取っ組み合い)は、半分くらいアドリブですからね。
田中 普段の現場だとアドリブってすごい勇気がいるのでやらないし、やれない。ただこのドラマに関しては単発のときに、鋼太郎さんとのお芝居で台本ではわからないことが生まれてきて、それがすごく楽しかったんです。
そういうことをやり切って演じることができ、今回もそういうものにしたいと思って、クランクイン前に遣都を食事に誘って、“いい意味で台本は無視してほしい”と伝えました。
鋼太郎さんも現場の熱を大事にされる方で、3人でのシーンでもふたりのシーンでも何が起こるかまったくわからない。監督にしたらト書きどおりじゃないこともあるので、いい迷惑かもしれないですね(笑)。
吉田 そうだな(笑)。(アドリブは)なるべくリハーサルで見せておくようにしているけど、台本がいいからね。あくまでそれに沿って逸脱しないアドリブは、台本がいいからできることなので、台本がひどいとアドリブさえ出てこないからな。
田中 はい。
林 単発を見てそういう空気を想像していました。
何度か共演させていただいている鋼太郎さんとはアドリブの経験があるので、今回の喧嘩シーンは撮影がめちゃくちゃ楽しみでした。
圭くんとは今回初共演ですが、鋼太郎さんと同じような人がいたな、と。(田中&吉田、大爆笑)。いつもの現場とはスタンスは違うけど、逆に準備していないとダメだと思うこともあるし、現場で生まれるものを大事にしたいと感じながら演じています。
根底にあるのは「純愛」
─これまでの恋愛ドラマとの違いは?
田中 男女でもいい話を男同士で演じているけど、人が人を好きになることに性別や年齢は関係ないと思います。
単発は勢いでやっていたところはあったけど今回、連ドラでは人が人を好きになることに真剣に向き合って表現しようと思い、特にラブシーンは真剣に演じています。
普段の生活で、男同士のキスを見ることはほぼないと思いますが、そういうことよりも登場人物たちの気持ちが勝っているから(視聴者にも)胸キュンを感じてもらえるのかもしれません。
鋼太郎さんとのシーンは、僕は受けの芝居をしているだけで、鋼太郎さんに、このドラマの面白いところをすべて託しています(笑)。
吉田 面白くしようとは思っていないですけど役柄上、面白く見えるところはあると思います。(役作りは)匙加減が難しいですね。リアルに見えないといけないし、リアルすぎても違うと思いますから。
ただ根底に流れているのは純愛なので、パワハラやセクハラにはなってはいけないと思うので、そこはあまり心配していないです。とにかく純愛の部分がいちばん大事だと思っています。
林 恋愛ドラマで見たことのあるようなシチュエーションや景色を取り入れることによって遊び心を出しつつ、やっていることは真剣にということを監督と話しました。
そのときに、気持ちを第一に演じれば笑える部分もあるけど、恋愛ドラマとしてちゃんと成立する方向性が見えて、納得できました。
田中 普通のリアクションだとコメディーにならないし、やりすぎるとウソっぽくなる。何百通りにもなるセリフと動きの組み合わせの中から、ウソのないギリギリなところを3人でセッションしている。そういうことが素敵な共演者と作れていると常に思いながら現場に立ち、また、見ている方にも伝わることを願っています。
吉田 3人の役割がはっきりしているので、ほとんどNGがないですね。圭は受ける立場で、(ふたりの愛に)驚いたり、怯えたり、喜んだり、悲しんだりする。僕は攻め。遣都はちょっと客観視しながら、ときどき爆弾を落とす役回り。
お互いに(役割が)はっきりして、(ドラマの)方向性も決まっているので芝居がやりやすい。だからNGを出すような流れにならないんだと思います。
─印象的なシーンは?
田中 強烈なシーンが多すぎて……(笑)。
ほぼすべて印象に残っていますし、これから控えている撮影で楽しみなシーンもあるので、どんどん上書きされていく感覚のほうが強いです。今、いちばん印象に残っているものを聞かれれば、撮影したばかりの部長の“ブラボー”(第6話、5月26日放送)です。印象的なシーンが更新される現場はなかなかないので、それも楽しいですね。
吉田 三角関係のシーンは、リアルにかつコメディータッチに演じていますが、実際にあったら修羅場です。奥さんにカミングアウトするなんて修羅場中の修羅場。身につまされるけど、楽しいですし演じがいがあります。
林 撮影していて面白いのが、(春田に対する)愛が深い。普段言わないことを感情が高まって言う瞬間や、乙女だった部長が急にキレて叫んだりするシーンとか好きです。
─撮影終わりに食事は?
吉田 舞台の稽古と重なっているので僕は行けてないですが、ふたりはよく飲みに行っているという話を聞いて、すごく羨ましかったです。撮影が終わるまでには何とかして意地でも1回は、3人で飲みに行きたいです。
林 (田中は)僕が最後まで気持ちを保てるように、誘ってくださっていると思います。
田中 座長としての気遣いというのとは違います。単純に遣都が付き合ってくれるので、波長が合うんです。
林は田中にメロメロ!?
─タイトルにちなんで自身の“ラブ”を教えてください。
田中 もうすぐ2歳になる娘がようやくなついてくれたんです。断乳するまではまったく寄ってこなかったのに、最近は家に帰るとうれしそうに寄ってきてくれます。
ソファで寝ていると俺の上に乗ってくるのが可愛い。1年半くらい嫌われ続けていたこともあってたまらないラブな瞬間ですね。
吉田 犬ですね。去年10月ぐらいから飼い始めて溺愛しています。家にいるときはソファに座っているときも寝るときも常に一緒です。
犬は暑がりなので寝ていると1時間くらいでベッドからいなくなるんです。そうすると僕が眠れなくなるので探して連れ戻すことを、ひと晩に2回くらいしています。
林 圭くんが昼休憩にちらし寿司を頼んで、誰よりも食べるのが早くて、学生みたいな食べっぷりでした。でも食べ終わったどんぶりにご飯粒がついていたり、かんぴょうやきゅうりをひと切れとか残していて、尊敬する先輩ですが、少年みたいな一面と先輩じゃなくなった瞬間に、ちょっとラブを感じました(笑)。
─最後にドラマの3人はどうなるの?
田中 (結末は)言えないですが、ひとつだけ言えることは、最終回まで修羅場とびっくりする展開が待っていますので、最後まで楽しんでいただければと思います。
〈PROFILE〉
林 遣都(はやし・けんと)/1990年12月6日生まれ。滋賀県出身。映画『バッテリー』で主演デビュー。主演作『しゃぼん玉』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、ドラマ『荒川アンダー ザ ブリッジ』『精霊の守り人』『べっぴんさん』『火花』などに出演する若手実力派。映画『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)
田中 圭(たなか・けい)/1984年7月10日生まれ。東京都出身。ドラマ『ごくせん』『ウォーターボーイズ』『白夜行』『おひさま』『軍師官兵衛』『東京タラレバ娘』、映画『図書館戦争』『いま、会いにゆきます』『予告犯』、舞台『かもめ』などに出演し、幅広い役柄で活躍
吉田 鋼太郎(よしだ・こうたろう)/1959年1月14日生まれ。東京都出身。大学生のころからシェークスピア劇を中心に舞台で活躍。近年はドラマや映画にも出演し独特な存在感を放つ。舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』(日生劇場で5月15日〜30日まで)
〈番組情報〉
土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』
【物語】不動産会社のサラリーマン・春田(田中圭)はある日、ピュアな乙女心を持つ上司の黒澤部長(吉田鋼太郎)と、同居するドSな後輩社員の牧(林遣都)から告白される。ふたりからの愛に戸惑いながらも揺れ動く春田をめぐって黒澤部長、牧が火花を散らす。三角関係の行方はー。