貴乃花と同期の元力士が語った「八百長相撲」の現場
一連の日馬富士(33)による暴行傷害事件は、いよいよ佳境を迎えつつある。無言を貫く貴乃花親方(45)の胸中には、相撲協会ではなく警察による事件の真相解明とともに、新たに表面化しつつある問題を払拭したいという強い思いが根底にあるという。
「八百長とまでは言わないまでも、無気力相撲が目立つようになっている。その中心が、モンゴル人力士らで形成される “モンゴル人互助会” にある。国を離れ、同じ国籍の人間が集まって束の間の休息を楽しむのはわかる。
だが、貴乃花親方にはそれが馴れ合いに映り、ひいては八百長に繫がると危惧している。だからこそ貴ノ岩には、そんな集まりに顔を出すことを厳しく禁じていた」(担当記者)
現役時代から孤高の横綱としてガチンコ相撲を体現し、誰よりも馴れ合いや群れることを嫌った貴乃花親方。その象徴である “モンゴル人互助会” は許せる存在ではなかった。
とはいえ、白鵬(32)を筆頭に上位陣にはモンゴル人力士は多数いる。ましてや、最近の土俵内外での白鵬の言動は目に余るものがある。それを許してきた協会に、危機感を持っているという。
そもそもの発端となったのが、2011年の八百長事件だった。携帯のメールから星の貸し借りが次々と暴かれ、多くの力士が引退に追い込まれた。モンゴル人力士も6名を数えている。
貴乃花親方と同期で、2010年の野球賭博問題の首謀者、元力士の古市満朝氏が、現役当時を振り返る。
「よく、八百長相撲のために使いに走らされていました。当時、関取の付け人をやっていて、対戦する相手に『今日、うちの関取がお願いしますと言っていますけど、どうでしょう。金額は○○で、手順は流れでお願いします』と、話しに行くんです。
これは相手との貸し借りなのか、ほかの関取を交えて星を回すのかなど、細かい打ち合わせにも走らされたものです。我々は、そんな汚い部分を見てきた世代なんです。ガチンコだけで横綱になった貴乃花は、本当にすごいですよ」
2011年に八百長問題が発覚した当時、貴乃花親方は、新理事として八百長撲滅、暴力団の介入阻止などに向けて奔走していた。だが、貴乃花親方が提唱する改革は道半ばで、問題解決には至っていない。
「最近の “モンゴル人互助会” による馴れ合いは、八百長事件を思い出させると、貴乃花親方は感じているようです。集まって酒を飲むのはしょっちゅうだし、2009年には初日の2日前に朝青龍、白鵬が中心となってゴルフコンペまで開いている。また2010年には、白鵬が花札賭博に関与していたことが発覚している。
今回の暴力事件の発端となったのが、錦糸町の店での『これからは俺らの時代だ!』という貴ノ岩の発言でしたが、じつはこの店、八百長問題で解雇された力士がオーナーを務めている。よくモンゴル人力士が集まっている店として有名だし、そこに貴ノ岩が行ったことに、貴乃花親方は怒っています」(相撲ライター)
事件後、協会の事情聴取にいっさい協力しない態度に、すっかりヒールのイメージを植えつけられてしまった貴乃花親方。よかれと思ってやっていることも支持を得ることはなく、いまや四面楚歌の状態である。
(週刊FLASH 2017年12月26日号)