派遣の求人状況、7年連続で改善 時給も上昇 エン・ジャパン調べ

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 内閣府は9月8日、2017年8月の「景気ウォッチャー調査」結果を発表した。一言で経済状況を説明するならば、現状は横ばい、先行きは上昇とのことだ。つまり、景気は回復基調が続いている。今後は人手不足を転機ととらえ企業が生産性を向上、そして持続的な賃上げにつなげれば息の長い景気回復につながるのではと考えるエコノミストも多い。景気回復に伴い派遣社員の仕事環境はどう変化しているのか、スポットを当ててみる。

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 人材採用・入社後活躍支援のエン・ジャパンは、同社が運営する日本最大級の派遣の仕事まとめサイト「エン派遣」上で、サイト利用している1,840名を対象に「求人状況」についてアンケート調査を行っている。

 最近の求人状況をどのように感じているか?と質問すると、36%が「以前より良くなっている」と回答した。過去のデータと比較してみる。良くなっているという回答は「2011年10%」「2012年17%」「2013年22%」「2014年23%」「2015年28%」「2016年33%」「2017年36%」と、7年連続で右肩上がりに推移している。派遣の仕事は改善傾向であることがうかがえる。

 求人状況が以前より良くなっていると回答した人にその理由を聞くと、同率で第1位は「時給や給与が上がっている」(53%)、「勤務曜日・時間・契約期間などの選択肢が増えている」(53%)。時給アップは、同じ仕事でも時給が100円から300円高くなっている、と実感している人が多いようだ。

 勤務曜日や時間の幅が広がった件だが、「子育て中だと、平日週3日、9時〜14時勤務をメインで探したいところ。あまりないかと思ったら意外と見つかった」「週3日や短期の求人案内が多く、選択肢が増えた印象がある」といった声が多く寄せられている。

 第3位は「仕事の情報件数が増えている」(48%)。「派遣の仕事では登場しなかった企業や仕事内容の求人が急増している」といった声が多かった。

 今までになかった職種や時給で好待遇というケースもあり、アルバイトでなく派遣で働きたいという人にとっては今の求人状況はいい波が来ているようだ。