松山英樹【写真:Getty Images】

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「明らかな本命は存在しない」…混戦の全英OP優勝候補12選手に「ヒデキ・マツヤマ」

 海外男子ゴルフの四大メジャー第3戦、全英オープン(ロイヤルバークデールGC)は20日(日本時間21日)に開幕するが、地元の英メディアでは優勝候補12選手を紹介。本命不在とされる「The Open」でグランドスラム初制覇を狙う松山英樹(レクサス)も「新たな血脈」として登場した。英地元紙「デイリー・メール」が報じている。

 ロイヤルバークデールを舞台とするゴルフ界で最も権威のある大会だが、記事では「明らかな本命は存在しないが、数多くの競争者が点在している」と展望している。

「ロリー・マキロイやダスティン・ジョンソンというすでに確立した名前から、ジョン・ラームやヒデキ・マツヤマのような新たな血脈も、これまでにないほどオープンな大会でレースを繰り広げることになる」

 世界ランキング2位で25歳の松山は、7位で22歳のスペイン人、ラームとともに新興勢力として紹介されている。

 12人の優勝候補は豪華な名前が挙がる。地元勢では、世界ランク4位のロリー・マキロイ、12位のジャスティン・ローズ、14位のトミー・フリートウッド、24位のティレル・ハットンが選出された。そして、ラームに加え、5位のセルヒオ・ガルシアも欧州勢として名前を連ねている。

「3人の国際選手」で松山登場…メジャー初Vへ「バークデールが格好の舞台となる」

 米国勢としては1位のダスティン・ジョンソン、3位のジョーダン・スピース、10位のリッキー・ファウラーが登場。そして、「3人の国際選手」の中で、6位のジェイソン・デイ(オーストラリア)、35位のブランデン・グレース(南アフリカ)とともに松山が筆頭で登場する。

「昨年、最後の5大会のうち4度優勝。そこから熱は冷めているが、それでも1度優勝し、先月のUSオープンでは2位につけた」。寸評では、昨年終盤からの充実ぶりを高く評価した。

 また、優勝候補に挙がる理由としては、以下のようにつづっている。

「今や次のステップを踏む準備ができているように見える。1971年にアジア勢のミスター・ルーが1971年に準優勝に輝き、地元のファンを魅了したバークデールが格好の舞台となるだろう」

 台湾の名手で「ミスター・ルー」の名前で世界的な知名度を誇った呂良煥が2位に躍進した今回のコースこそ、松山のメジャー初優勝の舞台として相応しいと報じている。

“不安要素”は日本国民の期待? 「あまりに巨大な期待値を背負うことになる」

 一方、松山の不安要素もあるという。

「日本人選手が壁を破り、最終的にメジャーを制覇するまで、選手たちはあまりに巨大な期待値を背負い続けることになる」

 メジャー制覇が日本人ゴルファーにとって、未知の世界であることを挙げ、日本国民の期待値の高さが松山にとって重荷になるのでは、と分析している。

 6月に行われたメジャー第2戦、全米オープンは最終日に「66」の猛追を見せ、メジャー自己最高の2位タイ。大会史上、日本人最高位となる快挙を果たし、米メディアから「ヒデキ・マツヤマはボス」などと称賛されていた。

 すでに世界2位という高みに輝く日本のエースは重圧を跳ね返し、念願のメジャー優勝を果たすことができるだろうか。注目の開幕が迫っている。