料理店で「かしわ」と注文して、店員から怪訝な顔をされた経験、ないだろうか。「鶏肉をかしわと呼ばない」とは? 西日本出身者にはなかなかカルチャーショックだ。

東日本出身者にとって、「かしわ」と聞けば、植物の「柏」をイメージするかもしれない。柏餅の「柏」である。かしわ=鶏肉とは、すんなり結びつかない。

そこでJタウン研究所は、「鶏肉のことを、『かしわ』と呼ぶ?呼ばない?」をテーマに、都道府県別のアンケート調査を行った(総投票数1694票、2017年5月11日〜7月4日)。はたして、その結果は――。

約3分の2、「かしわ」と呼ぶが...

全投票をあわせた数値は、「かしわ」と呼ぶが1080票(63.8%)で、全体の約3分の2を占める。「かしわ」と呼ばないは614票(36.2%)。下の円グラフをご参照いただきたい。


鶏肉のことを、「かしわ」と呼ぶ?呼ばない?(Jタウンネット調べ)

都道府県別に見てみよう。各県ごとの最多得票を色分けすると、上のような日本地図になった。「かしわ」と呼ぶ地域のクリーム色は、西日本に広がっている。「かしわ」と呼ばない地域のグリーンは東日本にかたまっている感じだ。

「かしわ」と呼ばないのは、宮城県(57.1%)、山形県(100%)、福島県(100%)など、東北各県では、「呼ばない」派が優勢だ。栃木県(100%)、群馬県(60%)、埼玉県(65%)、神奈川県(55.6%)など、関東各県の「呼ばない」率も高い。新潟県(100%)、山梨県(66.7%)、静岡県(60%)など、中部各県も「呼ばない」派だ。

一方、全国から人が集まる東京都は、「かしわ」と呼ぶ率が60.4%で、全国平均に近い。茨城県も「呼ぶ」率75%だった。千葉県、長野県は両者拮抗していた。

水炊き(ROVER_JPさん撮影、Flickrより)

「かしわ」と呼ぶ地域を見てみよう。滋賀県(88%)、京都府(80.9%)、大阪府(72.3%)、兵庫県(78.9%)、奈良県(77.1%)、和歌山県(83.9%)など、近畿地方は「かしわ」と呼ぶ率が圧倒的に高い。「かしわ」と呼ぶ派のクリーム色は、中国、四国、九州にも広がっている。

......というわけで、アンケート調査は、「かしわ」と呼ぶ西日本、「かしわ」と呼ばない東日本、という事前の予想を、ほぼ裏付ける結果となった。

ところで、興味深いのが広島県だ。広島の全得票数は118票、その内「かしわ」と呼ぶが30票(25.4%)で、「かしわ」と呼ばないは88票(74.6%)だった。

周囲は一面クリーム色、「かしわ」と呼ぶ派に取り囲まれる中で、広島県だけが「かしわ」と呼ばないグリーン(赤ではない)。あまりにも目立つ。いったいなぜだろう?広島県の方に、ご教授いただけると幸いだ。