広島新庄vs土佐
13時23分開始の第2試合。広島新庄は「初球から、引き付けて、好球は叩く」意識を高く持ち、前日午後、「土佐高校野球部70周年記念試合」で対戦した土佐（結果は8対5で広島新庄が勝利）の投手陣に猛打を浴びせ続けた。
1回裏に一死一・三塁から4番・�睫� 智裕（3年・右翼手・178センチ78キロ・右投左打・府中広島2000＜ヤングリーグ＞出身）が左中間を深々と破る2点三塁打などで4点を先制すると、3回裏には1点を加えた後、昨夏甲子園では3試合6犠打の1番・古川 智也（2年・遊撃手・174センチ72キロ・右投右打・山陽小野田市立厚狭中出身）が打った瞬間それとわかるレフトスタンドへの2ラン。パワーも備えているところを見せつけた。
投げても広島新庄は先発のエース・有村 綜留（3年・左投左打・179センチ68キロ・都城リトルシニア＜宮崎＞出身）が制球重視で7回4安打1四死球無失点とすると、8回表に木村 優介（1年・捕手・右投右打・180センチ85キロ・広島ボーイズ出身）との1年生バッテリーを組んだ桑田 孝志郎（1年・右投右打・177センチ65キロ・宇部市立常盤中出身）も最速135キロ前後のストレートで将来性をうかがわせた。
最後は9回表二死一・三塁から途中出場の土佐9番・岡田 直樹（3年・一塁手・右投右打・163センチ63キロ・三原浮城ベースボールクラブ＜広島・軟式＞出身）が放った意地の左前適時打で1点こそ失ったが、中村との第1試合に続く12安打を放った広島新庄は10得点で快勝。この高知県高等学校野球連盟特別招待試合を1勝1敗で終えている。
試合後、広島新庄・迫田 守昭監督は古川や、この日は3番に座った河内 恭英（2年・三塁手・172センチ67キロ・右投右打・府中広島2000＜ヤングリーグ＞出身）といった甲子園経験者を中心とした選手たちの切磋琢磨に期待しつつ、最後にこう語った。
「ウチは甲子園では打てないイメージがあるから、今度は打って甲子園で勝ちたいですね」
かくして田口 麗斗（現：読売ジャイアンツ）、山岡 就也（現：國學院大2年）、堀 瑞輝（現：北海道日本ハムファイターズ）といった好投手輩出のメソッドは引き継ぎつつ、打撃に手を入れる広島新庄。ここまで夏・秋・春3大会連続広島県大会制覇。大本命として目指す広島大会3連覇の先には「ニュー広島新庄」の青写真が明確に描かれている。
（取材・写真＝寺下 友徳）
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