熊本でお立ち台に立つ菅野(右)(C)KYODO NEWS IMAGES

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 震災から1年。巨人のエースは熊本で気迫の投球を披露した。

 18日のヤクルト戦に先発した巨人・菅野智之は、9回117球を投じ、わずか3安打で今季初完封の2勝目を飾った。

 しかし、注目すべき点はその投球だけではない。打撃ではマルチ安打の活躍で自らを援護した。

 偶然ではない。以前、野球用具の話をした時だ。「グローブとかはなんでもいいので、正直。極論ですけど。バットですかね」。菅野からは予想外の答えが返ってきた。

 バット1本にも強いこだわりを見せる。「(バットが)軽いと飛ばない」ので、「軽くて飛ぶバット」をメーカーに削って作ってもらっているという。「投手で僕くらいじゃないですか?」得意げな表情だった。

 「セ・リーグ(の投手は)打たないといけないので(笑)」。セ・リーグのチームに所属する以上、投げることだけをやればいい訳ではない。菅野は“投手は9番目の野手”であることをしっかりと心得ている。

 その結果、昨季はセ・リーグで規定投球回に到達した投手の中で、最も高い打率.222を記録。安打数もセの投手で唯一2ケタ12安打をマークするなど打撃でも存在感を示している。

 「ピッチャーは投げるだけじゃないんで、今年はバッティングにも注目してください」。お立ち台でそう語った背番号「19」。今季はエースの打棒にも注目したい。