横浜F・マリノスのMF中村俊輔

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[12.29 天皇杯準決勝 横浜FM0-2鹿島 ヤンマー]

 俊輔らしさは存分に見せつけた。準々決勝に続きベンチからのスタートだったMF中村俊輔だが、後半18分から登場すると、いきなり蹴ったCKをDF新井一耀の頭にピンポイントで合わせる。同26分にはFKから惜しくもオフサイドとなったDF金井貢史の幻のゴールを演出するなど、存在感を発揮した。しかし得点は生まれず、横浜F・マリノスは0-2で敗戦。3年ぶりの決勝進出とはならなかった。

 俊輔は「前半にいい形があった。そこを決めきれないと。そこで決めるか決めないかでしょ」と分析。「勝負どころというか、チームとしてもクラブとしても、そこがまだ浅いかな」と嘆いた。

 今季は9月に左足靱帯を損傷。第1ステージは15試合に出場していたが、第2ステージは4試合の出場にとどまり、24日の天皇杯準々決勝のG大阪戦に途中出場するまで、3か月の離脱を余儀なくされた。

「フルに戦えなかったのが残念。サポーターやクラブに対して申し訳ない」と頭を下げた俊輔。ただ「外から自分のクラブというか選手を見たり、こうやって変わっていく中を見ると、いろいろ感じることがあった。それも一つ、今後はそんな長くはないけど、糧になることはあった」とも話した。

 シーズンが終わり、去就報道など、周囲は騒がしくなることになりそうだが、これについては、「クラブとか代理人と話して、進んでいるとは思いますけど、それは他の人と一緒」と牽制。「みんな決勝に行くつもりでやっていたので、停滞しているところは停滞している」と言葉を濁した。

(取材・文 児玉幸洋)
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