年内の連載はこれで最後となりました。今年の日本サッカー界も、本当にいろいろなことが起きたと思います。カタールでのリオ五輪最終予選、オーバーエイジ枠問題、リオ五輪、ワールドカップアジア予選、世代交代、英国・パフォーム社によるJリーグ放映権長期契約、2ステージ制の廃止、リーグ年間3位の鹿島の優勝、そしてクラブワールドカップ――。

そんな中から、僕が一番考えるところがあったのは、クラブワールドカップで鹿島が決勝に進出したことでした。終り良ければすべて良しではありませんが、これで一気に日本サッカーの雰囲気が変わったと思います。

鹿島がまず変えたのは、ACLに対する各クラブの考えでしょう。これまでは、どうしても「リーグ優先」というのが本音だったと思います。ですが、鹿島がレアル・マドリーと対戦するのを見て、Jクラブは世界的強豪と真剣勝負で戦いたいという目標を持ったのではないでしょうか。なので、これまでとはACLへの取り組み方が変わってくると思います。

次に、日本サッカーの自信が変わりました。今年の日本は、ワールドカップ3次予選の初戦でUAEに負けたときから、すっかり心が弱っていたと思います。日本の強い姿をなかなか見せられない。ストレスをため込んでいました。

また、試合に出ていないヨーロッパ組でも日本に帰ってくると、活躍しているJリーガーより重宝されるということもありました。JリーグやJリーガーのレベルはとても低いと感じていたのではないかと思います。それを鹿島は変えました。

もっとも、レアル・マドリーのコンディションやモチベーションはチャンピオンズリーグのときのほうが高かったという事実もあるでしょう。鹿島がクラブワールドカップで2位になったからと言って、世界の2位ではないと思います。

それでも、相手が少しでも後ろを見せるとJリーガー、日本人監督でも痛い目に遭わせることができるというのは十分に証明できたのではないでしょうか。日本は尊大になる必要はありませんが、卑下することもありません。

胸を張って年の瀬を迎えられたのは素晴らしいことです。この勢いで来年も頑張っていきましょう! それではみなさま、よいお年を!