知らない人はいない天才画家、パブロ・ピカソ。ところが、ピカソの出身地を答えられる人は案外少ないのではないでしょうか。

ピカソはスペイン南部、アンダルシア地方のマラガに生まれました。マラガは、リゾート地として有名な「コスタ・デル・ソル(太陽の海岸)」の中心都市。太陽と温暖な気候を求めて、毎年多くの観光客が訪れます。

それだけでなく、ピカソの生誕地・マラガは、今もピカソゆかりスポットが残る、ファンにはたまらない場所です。マラガが誇るピカソゆかりの地をたずねてみましょう。

・ピカソ美術館

ピカソファンならずとも見逃せないのが、16世紀のブエナ・ビスタ宮殿を改装したピカソ美術館。ピカソの親族から寄贈された絵画や彫刻、陶器など、未公開作品を含む約200点が展示されています。

主要作品は、「マンティーリャをはおったオルガ」、「白い帽子をかぶったパウロ」、「亡きカサヘマス」など。実際のところ、「ピカソがすごいのは知っているけど、作風が独特すぎてよくわからない」というのが、多くの人の正直な感想ではないでしょうか。

しかし、このピカソ美術館は入場料にオーディオガイド(日本語あり)が含まれているので、美術館や主要作品の解説を聞きながら鑑賞することができます。

そうすることで、一見理解不能な作品を生み出したピカソの思いや作品の意味がわかり、「天才ピカソ」に少し近づけたような気がするはずです。ルネッサンス様式の歴史的建造物で味わうピカソの作品の数々は格別。

ピカソ美術館は非常に人気が高いので、入場待ちの行列ができていることもあります。見学の際は、待ち時間が発生する可能性も考慮して計画を立てましょう。

<施設の情報>
マラガ・ピカソ美術館(Museo Picasso Málaga)
住所:Palacio de Buenavista C/ San Agustín, 8, 29015 Málaga
公式サイト:http://www.museopicassomalaga.org/en

・ピカソの生家

旧市街の中心地から少しはずれたところに、ピカソが1881年に生まれ、10歳までの幼少期を過ごした貴重な生家が残っています。内部は博物館として公開されており、画家だったピカソの父ホセ・ルイス・ブラスコの作品や、ピカソの洗礼式の衣装や幼少期の写真などが展示されています。

ピカソの生家が面しているメルセー広場は、幼少期のピカソの遊び場で、この広場の鳩を懐かしんだピカソが、自らの娘に「パロマ(鳩)」と名付けたのだとか。

展示品の数は多くはないものの、ピカソのルーツに触れる体験は特別なひとときとなることでしょう。

<施設の情報>
ピカソの生家(Museo Casa Natal
住所:Plaza de la Merced, 15,29012 Málaga)
公式サイト:http://fundacionpicasso.malaga.eu/portal/menu/portada/portada?idioma.cultura.fpicasso=in

・サンティアゴ教会

ピカソ美術館とピカソの生家のあいだに位置するサンティアゴ教会は、ピカソの両親が結婚式を挙げ、ピカソが洗礼を受けた場所。15世紀に建てられた教会で、ゴシックとムデハル様式を融合した塔が目印です。

外観はどちらというと質実剛健な印象ですが、繊細な装飾が施された白を基調とした内装は豪華。教会内部に入ってすぐ左の礼拝堂には、今でもピカソが洗礼を受けたときの洗礼台が残っています。

別時代を生きた偉大な画家ピカソ。まったく別世界の住人のような気がしていても、ピカソも私たちと同じように生を受けた、生身の人間であったのだということが感じられます。

今も圧倒的な存在感を失わない作品の数々を残したピカソの原点がここに。あなたも、スペイン・マラガで天才画家の足跡をたどってみてはいかがでしょうか。

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