欅坂46をホロコーストセミナーに「招待」 イスラエル大使館にSNSの意図を聞く
アイドルグループ「欅坂46」の衣装がナチスドイツの軍服に似ていると指摘され、運営会社などが謝罪した問題は、新たな展開を見せつつある。在京イスラエル大使館が、今回の騒動を伝える記事を引用しながら、ホロコースト(ドイツでのユダヤ人虐殺)に関する特別セミナーに「ご招待させて頂きたいと思います」とフェイスブックで発信。これが一部では「イスラエル大使館が欅坂46を呼び出した」などと受け止められた。
そういったことも影響したのか、イスラエル大使館はJ-CASTニュースの取材に「一緒に理解を深める機会を持つことができましたら当館としてとても幸いに存じます」と回答。問題となった衣装についても「悪意的な意図があったのではないと十分に理解しております」とした。
「悪意的な意図があったのではないと十分に理解しております」
在京イスラエル大使館は2016年11月3日昼、騒動をめぐり欅坂46の運営会社などが謝罪したことを伝えるニュースを引用したり、欅坂46の公式アカウントに言及したりしながら、ツイッターやフェイスブックで、
「タレントさんは多大な影響力があり、皆様がこの重大な問題について知識を持つことが重要です。そこで、欅坂46のメンバーの皆様をイスラエル大使館でのホロコーストに関する特別セミナーにご招待させて頂きたいと思います」
と書き込んだ。この書き込みをめぐっては反発も多く、美容外科医の高須克弥さんはツイッターで
「イスラエル大使館の皆さんは多大な影響力がありこの重要な問題について知識を持つことが重要です。お返し皆さんをユダヤ人科学者の青果である広島原爆資料館に御招待したい。瀕死の被爆者は皆さんの仮装ハロウィーンのゾンビの様相を呈していました」(原文のママ)
と皮肉り、この書き込みは1200回以上リツイート(拡散)された。
「一緒に理解を深める機会を持つことができましたら...」
イスラエル大使館広報室は11月4日にJ-CASTニュースの取材に対して、問題となった衣装について「悪意的な意図があったのではないと十分に理解しております」と断った上で、
「現在、ソニーミュージック様と連絡を取り合っているところであり、メンバー、プロデューサー、ソニーミュージックの方々とホロコーストの記憶について一緒に理解を深める機会を持つことができましたら当館としてとても幸いに存じます」
と説明。「セミナー」「招待」といった文言は消えた。
その上で、
「当館は、日々の業務を通して、ホロコーストの歴史に関する理解を深める取り組みをされている各種団体を支援させて頂くとともに、セミナーなども度々開催しております。ホロコーストの歴史を学ぶことは、嫌悪や人種差別、暴力などと戦うという普遍的なメッセージでもあります。私どもは、この普遍的なメッセージを推進していきたいと考えていらっしゃる方どなたとでも協力をさせて頂きたいと願っております」
などとして、一般論としても啓発活動を進めていきたい考えを強調した。
ソニーミュージックに取材すると、イスラエル大使館からコンタクトがあったのは事実だが、ツイートにあったような「セミナーへの招待」はなかったという。「セミナーへの招待」については、正式な申し入れがあれば改めて検討したいとしている。
欅坂46をめぐっては、CSなどで放送されている音楽専門チャンネル「MUSIC ON! TV(エムオン!)」が11月2日、11月5日夜にCS放送などで放送が予定されていた音楽番組「欅坂46!超特急!RADIO FISH!が競演!! 『PERFECT HALLOWEEN 2016』」の放送を中止し、別番組に差し替えることをウェブサイト上で発表した。放送局では、放送中止の理由を
「欅坂46の一連の報道を受けまして、イベント主催者側と協議した結果」
と説明している。
「PERFECT HALLOWEEN 2016」は10月22日に横浜アリーナで行われ、その中で欅坂46は問題とされた衣装を着ていた。