はよ「暮しの手帖」つくって「とと姉ちゃん」90話
連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第15週「常子、花山の過去を知る」第90話 7月16日(土)放送より。
脚本:西田征史 演出:大原拓
タイトルバックの最後のほうに2羽の鳥が飛んでいるカットがでてくるが、常子(高畑充希)と花山(唐沢寿明)のこれからを暗示しているようにも見えた。
「スタアの装ひ」2号は完売。小橋家の人々は花山(唐沢寿明)に引き続き編集長を頼むが、断られてしまう。
花山は常子に、いまのままでは、まねされてすぐ売れなくなる、まねされない本をつくらないといけないと忠告。が、そんなことは一朝一夕ではできないと言い「こんな時代だからこそ、伝えなくてはいけないことがあるはずだ。だが実際は作れんよ、そんな金のかかる雑誌」と去って行く花山、彼が作りたい雑誌とは・・・。
花山は、働く予定の会社が焼け跡に社屋建設を予定していて、戦争で焼けだされてそこに住んでいる人たちが立ち退かされと知って愕然とする。
15週になって、急激に戦争の痛みを描き始めた「とと姉ちゃん」。わかります、かけがえのない暮しを戦争に損なわれたからこそ暮しの大切さを伝える本をつくりたいと思う流れにしなくてはならないんですね。その描きぶりが、まるで画用紙の真ん中に大きく小橋家の牧歌的な茶の間が配置され、その隅に戦争に関することがぎゅうぎゅう描かれているかのような収まりの悪さで、端正を好む花山だったら許さないレベルではないかと心配になるだけだ。
「こんな時代だから」という台詞も三度くらい出てきている。【黒とと】
戦争で精神をやられてしまった男1(磯部勉)が1分ほど、戦争の悲惨さを言葉と身体で表現する。以前、東堂先生こと片桐はいりが「ハムレット」を演じていたが、磯部勉は日本を代表する新劇劇団出身でハムレットを演じたこともある名優である。
その後、つまみ枝豆(役名は男2)が出て来て、戦争の酷さをまた1分ほど説明台詞。もったいないほど贅沢なゲストであった。【グレーとと】
さらに、戦争による火の威力がいかに激しかったかを物語るひしゃげたフライパンを、花山は拾う。
そこへ常子がやって来て「できますよ私となら」「もう間違えないようにしませんか」「私となら必ずできます」「私も人生のすべてをかけて新しい雑誌をつくります」と決め台詞の連打。【黒とと】
ついに花山も「君ら(小橋家)のためにペンを握ってやる」と決意する。スシ王子か。
「はじめて他人の それも女性の言葉を信じてみたくなったんだ」とは、なぜ急に「それも女性の」と男女を分けた発言を花山にさせるのだろうか。【高度過ぎて判定できませんでした】
花山が常子と話す時、階段状のところの少し上のほうにあがっていたのが、常子たちと雑誌をつくる決意をした後、そこから下りて地面に常子と並ぶ。社長だから「常子さん」と敬意を表して呼ぶことと合わせて花山と常子が対等な目線になったような。それが、冒頭感じた飛ぶ鳥2話のイメージと繋がった。早く「暮しの手帖」つくって。【白とと】
(木俣冬)
脚本:西田征史 演出:大原拓
タイトルバックの最後のほうに2羽の鳥が飛んでいるカットがでてくるが、常子(高畑充希)と花山(唐沢寿明)のこれからを暗示しているようにも見えた。
「スタアの装ひ」2号は完売。小橋家の人々は花山(唐沢寿明)に引き続き編集長を頼むが、断られてしまう。
花山は常子に、いまのままでは、まねされてすぐ売れなくなる、まねされない本をつくらないといけないと忠告。が、そんなことは一朝一夕ではできないと言い「こんな時代だからこそ、伝えなくてはいけないことがあるはずだ。だが実際は作れんよ、そんな金のかかる雑誌」と去って行く花山、彼が作りたい雑誌とは・・・。
花山は、働く予定の会社が焼け跡に社屋建設を予定していて、戦争で焼けだされてそこに住んでいる人たちが立ち退かされと知って愕然とする。
15週になって、急激に戦争の痛みを描き始めた「とと姉ちゃん」。わかります、かけがえのない暮しを戦争に損なわれたからこそ暮しの大切さを伝える本をつくりたいと思う流れにしなくてはならないんですね。その描きぶりが、まるで画用紙の真ん中に大きく小橋家の牧歌的な茶の間が配置され、その隅に戦争に関することがぎゅうぎゅう描かれているかのような収まりの悪さで、端正を好む花山だったら許さないレベルではないかと心配になるだけだ。
「こんな時代だから」という台詞も三度くらい出てきている。【黒とと】
その後、つまみ枝豆(役名は男2)が出て来て、戦争の酷さをまた1分ほど説明台詞。もったいないほど贅沢なゲストであった。【グレーとと】
さらに、戦争による火の威力がいかに激しかったかを物語るひしゃげたフライパンを、花山は拾う。
そこへ常子がやって来て「できますよ私となら」「もう間違えないようにしませんか」「私となら必ずできます」「私も人生のすべてをかけて新しい雑誌をつくります」と決め台詞の連打。【黒とと】
ついに花山も「君ら(小橋家)のためにペンを握ってやる」と決意する。スシ王子か。
「はじめて他人の それも女性の言葉を信じてみたくなったんだ」とは、なぜ急に「それも女性の」と男女を分けた発言を花山にさせるのだろうか。【高度過ぎて判定できませんでした】
花山が常子と話す時、階段状のところの少し上のほうにあがっていたのが、常子たちと雑誌をつくる決意をした後、そこから下りて地面に常子と並ぶ。社長だから「常子さん」と敬意を表して呼ぶことと合わせて花山と常子が対等な目線になったような。それが、冒頭感じた飛ぶ鳥2話のイメージと繋がった。早く「暮しの手帖」つくって。【白とと】
(木俣冬)