【鹿児島抽選会後 展望】鹿児島実筆頭に「6強」がV争いの軸
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カギを握るコンディション調整第98回全国高校野球選手権鹿児島大会の組み合わせ抽選会が6月18日、鹿児島市の鶴丸高校文化館であった。今大会の出場校は2つの連合チームを含む73チーム78校。大会は7月2日に鹿児島市の県立鴨池球場(雨天時は鴨池ドーム)で開会式があり、県立、鴨池市民の両球場で18日まで(雨天順延)夏の甲子園を目指した熱戦を繰り広げる。開会式の選手宣誓は鹿児島中央の穴井 快英主将(3年)が務める。
抽選会では参加校の投票でシード校が選出され、鹿児島実、樟南、神村学園、鹿児島城西、れいめい、大島、鹿屋中央、加治木の8校がシードとなった。このあと残りチームが抽選し、対戦カードが決まった。
センバツ出場、NHK旗優勝の第1シード鹿児島実を筆頭に、春、NHK旗準優勝の樟南、春優勝の神村学園、好投手を擁する鹿児島城西、れいめい、大島の6強が優勝争いの軸になりそう。大会中に勢いをつかんでこれらを倒す「ダークホース」はどこかも注目したい。
毎年のことだが、大会は梅雨時期と梅雨明けの時期に重なる。昨年は雨で大会が5日順延し、梅雨明け後は急激な暑さのため試合中熱中症にかかったり、足がつる選手が続出し、強豪校が足をすくわれた試合もあった。暑さ対策、熱中症対策も含めて試合に向けたコンディション調整が大きなカギになりそうだ。組み合わせを4つのパートに分けて大会の見どころを述べる。
【鹿児島実−加治木パート】
綿屋 樹(鹿児島実)
第1シード鹿児島実が頭一つ抜けている印象があるが、第8シード加治木をはじめ県立の実力校がそろっており、打倒・鹿児島実に牙をむく。鹿児島実は不動の4番・綿屋 樹主将(3年・関連記事)を中心に、選手層が厚く、相手に対応した投手起用、打順が組めるところが強み。春4強の加治木は、5月のインターハイ県予選準優勝のサッカー部に続く快挙を狙う。江口 将平(3年)、駒壽 大地(3年)の好バッテリーを擁する池田はこのパートの台風の目になりそう。南薩地区の薩南工、大隅地区の鹿屋農、曽於など各地区で成長著しいチームの戦いぶりも注目したい。鹿児島対枕崎は2回戦屈指の好カードだ。
[page_break:各ブロックに強豪校同士の対戦が多く実現!]各ブロックに強豪校同士の対戦が多く実現!【れいめい−鹿児島城西パート】
太田 龍(れいめい)
鹿児島城西、れいめいのシード勢とも初戦で好チームと当たるなど、初戦の好カードが目白押しだ。昨夏準優勝の鹿児島城西は初戦で、好左腕・奥間 卓斗(3年)を擁し、春の大島地区大会を制した沖永良部と当たる。第5シードれいめいは同じ川島学園の設置校で昨秋とNHK旗で8強入りした尚志館との対戦。いずれも初戦から気が抜けない。昨秋8強の鹿児島南と好投手・長野 良太(3年)を擁する加治木工、鹿児島中央対志布志、鹿児島玉龍対指宿など実力校同士が初戦で激突する。吹上、甲南などもダークホースになりそうな力は秘めている。
【神村学園−大島パート】
神村学園、大島のシード校が実績、戦力的にやや抜けているか。春優勝の第3シード神村学園は田中 梅里主将(3年)を核とする強力打線に、実力のある下級生も多く、戦力的には鹿児島実にもそん色ない。4年ぶりの夏を虎視眈々と狙う。第6シード大島は好左腕・渡 秀太(3年)、捕手で4番の上畑 勇人(3年)ら経験豊富な選手がそろい、公立の中では強豪私学にも十分渡り合える戦力、実績があり、14年センバツに続く甲子園を目指す。
これに続くのは粘り強さがある鶴丸、夏に強い国分中央、古豪復活を目指す鹿児島商、成長著しい川薩清修館、種子島あたりか。川内対鹿屋工は1回戦屈指の好カード。
【鹿屋中央−樟南パート】
第2シード樟南が戦力、戦績で1歩抜ける。県下屈指の好左腕・浜屋 将太(3年)は毎試合2桁三振をとり、防御率も低く安定感が光る。これを援護する打力、得点力の向上が3年ぶりの夏のカギになりそう。昨夏、初戦で苦杯をなめた鹿児島情報との再戦は要注意。リベンジして勢いをつけたいところだ。
第7シード鹿屋中央は山本 信也監督が復帰し、2年ぶりの大隅から甲子園を目指す。投打ともに実力は高く、勢いに乗ったら一気に上位に食い込むだけの力はある。10年前の夏の甲子園で旋風を巻き起こした鹿児島工や指宿商、加世田、伊集院の南薩勢に昨夏8強の徳之島の戦いぶりも注目したい。
(文・政 純一郎)
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