リオデジャネイロ五輪に出場するバドミントン・佐々木翔。一度は引退を表明したものの、桃田賢斗が違法賭博問題によって世界ランキング取り消しになったことから同ランキングで日本人最上位に。複雑な想いを抱えながらも大逆転で五輪出場を決めた。

すると、21日放送、TBS「NEWS23」では「引退から一転 波乱のリオ代表 バドミントン佐々木翔の苦悩」と題し、バドミントン界が誇る大ベテランの胸中を伝えた。

「みんなオリンピック出たくてやっている。出たらどうなるんだろうって考えた時に、このまま出ないほうが自分にとって被害は少ないのかなって」。番組のカメラにこう切り出した佐々木は、五輪出場のチャンスが目の前にありながらも悩みに苛まれていた。

また、五輪出場の正式な打診はなかなか届かず、連絡を待ち続けたという佐々木は「トイレ行って帰ってきて、携帯見たら(五輪出場が)決まったんじゃないかとか。練習終わって携帯見たら決まってたんじゃないかという積み重ねが3週間続いた」と明かすと、「いつ分かるとも分からないっていうのが一番きつかった」と本音も。

それでも、五輪出場が決まると、母校・北斗市立上磯中学校では激励会が行われた。ここで吹奏楽部の演奏を聴いた佐々木は「悩んでいたものが一気に吹き飛んだ。どんなにつらい状況でも自分が正しいと思うことを精一杯やろうと誓いました」といい、その純粋で清らかなメロディーにまさに励まされたという。

「出れたらラッキーと思っている人にはそういう話はこない」という佐々木は、吹っ切れた様子で「オリンピックは自分の一番いいパフォーマンスを表現したい。それを証明するために準備をしっかりしたい」と意気込んだ。