Amazonがファッション関連のプライベートブランドを立ち上げて販売開始していたことが判明
インターネット小売業のトップに君臨しているAmazonが、自ら立ち上げたアパレル関連のプライベートブランド(PB商品の取扱いを開始していたことが報じられています。
Amazon Quietly Rolls Out Private Label Fashions - WWD
http://wwd.com/retail-news/direct-internet-catalogue/amazon-quietly-rolls-out-private-label-fashions-10364187/
Amazon's private label takes aim at the fashion industry
http://www.engadget.com/2016/02/23/amazons-private-label-takes-aim-at-the-fashion-industry/
PB商品の取扱いが判明したのはアメリカのAmazonで、ひと目見るだけではAmazonとの関連を感じさせないブランド名が冠されています。カテゴリ別に複数のブランドが投入されており、「Franklin & Freeman(紳士靴」「Franklin Tailored(紳士服・スーツ」「James & Erin Plus(レディースカジュアル」「Lark & Ro(レディースドレス・カジュアル」「NORTH ELEVEN(レディースアパレル・アクセサリー」「Scout + Ro(キッズアパレル」「SOCIETY NEW YORK(レディースドレス・バッグ」とったブランドの商品が販売されています。
Amazon.com: Franklin Tailored: Clothing, Shoes & Jewelry
レディースのパーティードレスやカジュアルをラインアップするLark & Roだとこんな感じ。いずれの商品も100ドル(約1万1000円を下回る価格帯に設定されており、いわゆるファストファッションの商品と競合するレンジに入っていると言えそう。
Amazon.com: Lark & Ro: Clothing, Shoes & Jewelry
KeyBanc Capitalのアナリスト、Ed Yruma氏によるとAmazonは上記7ブランドで1800 SKU(1800種類の商品を取り扱っているとのこと。その多くは女性向けの商品で、Society New Yorkは900SKU以上のドレス・バッグを扱っているのに対し、Franklin Tailoredが扱うメンズスーツは200SKU程度とのこと。
Amazonでは従来からもアパレル関連の取扱いがありましたが、PBを立ち上げての商品展開を行うのは今回は初めてとみられ、従来から一歩踏み出したエリアに参入したものといえます。これまでにAmazonでは自社ブランドスマートフォンFire Phoneや、電子書籍のKindleを扱っていましたが、さすがにアパレルに「Amazon」の名称を付けるのは得策でないと判断したのか、新たにブランドを立ち上げて展開するというアパレル界の文法に沿った戦略を採っている模様。
一般的に、ハードウェアなどの商品に比べてアパレル商品は利益率がよいとされ、Amazonでは平均してアパレルでは40%の利益率を確保しているとのこと。しかしその一方で、Amazonを利用する人のうち、アパレル商品を購入している人は15%と低く、このあたりの改善の如何によってAmazonのPB商品の行方が大きく左右されることになりそうです。
なお、日本のAmazonではかつて靴やバッグを専門に取り扱う「javari」というファッションサイトをamazon.co.jpとは別に運営していましたが、2014年に閉鎖してAmazonに統合したという経緯がありました。今回のPB展開が日本にも波及するのか、少し気になるところです。