第6世代Intel Coreプロセッサー「Skylake」シリーズのCPUが、サードパーティ製のCPUクーラーを装着すると損傷する危険性があるとの指摘が挙がっています。このCPU損傷の危険性はSkylakeシリーズで設計変更された基板に問題がありそうです。

Skylake: Kühler können Sockel-1151-CPUs beschädigen [Update 6: Cooler Master, Prolimatech, Silentium PC]

http://www.pcgameshardware.de/Luftkuehlung-Hardware-217993/News/Skylakegate-Kuehler-zerstoeren-Sockel-1151-CPUs-1179237/

Investigating Reports Of Intel Skylake CPUs Damaged By CPU Coolers (Update 2)

http://www.tomshardware.com/news/skylake-cpus-damaged-by-coolers,30690.html

Skylake CPUs may be damaged by pressure from some heatsinks - The Tech Report

http://techreport.com/news/29396/skylake-cpus-may-be-damaged-by-pressure-from-some-heatsinks

ドイツのPCゲームサイト「PCGamesHardware.de」は、第6世代Intel Coreプロセッサー「Skylake」シリーズのCPUに、サードパティ製の大型CPUクーラーを装着した場合、PCケースの移動などによって衝撃が与えられたときに、CPUクーラーのヒートシンクによってCPUが破損する恐れがあると報じています。PCGamesHardware.deによると、大型ヒートシンクを取り付けた際の圧力によってCPUの基板が曲がることがあるとのこと。



さらに、マザーボード側にあるソケット内のピンが曲がる場合もあるそうです。



CPUは発熱するため、CPUクーラーの装着が必要です。空冷式のCPUクーラーの場合、ヒートシンクやヒートパイプを使って集めた熱をファンで発散させるという仕組みが用いられており、より放熱性を上げるため、サードパーティ製のCPUクーラーはIntel純正品に比べて大きなヒートシンクが採用されており大きさや重量が大きくなっています。



CPUはマザーボードのソケットに搭載した後、CPUクーラーによって適当な圧力が加えられないと動作しないことがあります。また、より冷却性能を高めるために高めの圧力が加えられることもあります。しかし、Skyalakeシリーズでは、CPUの基板がそれまでの世代のモデルよりも薄型化されたため、従来通りのCPUクーラーの大きさ、重量、圧力ではCPUを物理的に損傷する恐れが発生しているというのが原因のようです。



Skylakeシリーズで採用されたLGA 1151は、従来規格のLGA1155、1150とソケットのサイズやCPUクーラー用の穴の位置も同じであることから、従来モデルのCPUクーラーの流用が可能で、サードパーティ製のCPUクーラーは従来モデルもLGA 1151対応であることをうたっている場合がほとんど。しかし、SkylakeシリーズではCPU基板の厚みが薄型化されたため、従来通り大型のCPUクーラーを装着した場合、衝撃が加えられるとCPUやマザーボードが破壊されるおそれがあるため、注意を要するというわけです。

PCGamesHardware.deによるCPU損傷の危険性の指摘を受けて、大手のCPUクーラーメーカーは素早く対応しています。Noctua、Thermalright、ThermaltakeなどはLGA 1151自体の互換性は問題なく通常使用では問題はないとしつつも、安全のために輸送などの際にはCPUクーラーの取り外しを推奨。これに対して日本のScytheより厳しい判断をしており、Skylakeシリーズで同社製CPUクーラーの「Mugen 4」「Mugen Max」を使うときには、クーラー固定用のリテンションスクリューをより弱めにかけるのが望ましいこと、ユーザーの希望があれば新しいSkylake対応のリテンションスクリューを送付することを明らかにしています。



冷却性能向上だけでなくドレスアップアイテムとしてカスタムされるCPUクーラーですが、Skylakeシリーズで大型CPUクーラーを使う場合には注意した方が良さそうです。