「彼女にも言い分があると思う」とマツコ

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白紙撤回された新国立競技場の新たな建設工事に向けた業者の公募が、9月18日で締め切られる。現時点で参加を表明しているのは、日本国内の大手ゼネコン1社のみ。旧計画のデザインコンペにあった応募条件の「国際的な賞の受賞実績」という項目は無くなったものの、新たに「設計からデザイン、施工まで一体で応募すること」「1社当たり1案」という厳しい条件が加わった。そのためコンペに参加を希望する建築家がいても、組んでくれるゼネコンが見つからなければ応募すらできない。また施工できるゼネコンも限られるため、このままでは“2、3の案しか出てこないのではないか”という懸念が関係者の間で広がっているという。

9月14日放送の『5時に夢中!』(TOKYO MX)の“夕刊ベスト8”のコーナーでも「新国立競技場は絶望的」と題した記事を取り上げ、ゼネコンに声をかけても断られてしまう設計業者の実情が紹介された。

同番組のMC・ふかわりょうが「駒沢オリンピック公園総合運動場を改修する案も出ている」ことを述べたが、月曜コメンテーターのマツコ・デラックスは「駒沢…何万人入れるの?」と苦笑い。そして「東京じゃ無くなっちゃうけど、横浜(日産スタジアム)で良いんじゃないの?」との意見は、あながち冗談ではないようだ。ゴタゴタして完成が間に合わなくなるなら、既存の施設を活かして欲しいというマツコのような考えはネット上でも多く見受けられる。

しかし旧計画の問題点が曖昧なまま、新計画はすでに動き出している。おまけに新しい案は数件しか出てこないのではないかと危惧される中、マツコは「だったら、もう元の人に責任持ってもらったら?」と撤回された案のデザインを務めた建築家のザハ・ハディド氏に再び任せることを提案した。ザハ氏の事務所と日本の大手設計事務所・日建設計は旧計画でもチームを組んでおり、今回の公募にも再び同じチームでの参加を表明している(どのゼネコンと組むのかは明らかになっていない)。旧計画では“デザインの奇抜さが、建築費の高騰を招いた”と批判されていたザハ氏だが、マツコは「彼女にも言い分があると思うのね、“あんな法外な料金になる設計はしてない”っていう」との見解を示す。ザハ氏は新たな計画の公募にのぞむにあたり、「工期を厳守し、最も費用対効果があるプランを提示できる」とのコメントを寄せている。果たして新計画でザハ氏の案は採用されるのだろうか。
(TechinsightJapan編集部 みやび)