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会社員のことをビジネスマン、営業職に就く会社員は営業マン、さらに商社に勤める会社員は商社マンとよく呼ばれていますが、この呼び方に共通する「マン」の部分は「パーソン」に言い換えた方がいいという考え方もあるようです。それはどうしてなのかをご紹介します。

■なぜビジネスマンが、ビジネスパーソンに?

なぜ「ビジネスマン」を「ビジネスパーソン」に言い換えた方がいい、という考え方があるのかというと、その背景にはポリティカル・コレクトネス(公正・公平・中立で差別や偏見を含まない言葉や用語、またその考え方や概念)によって、職業の名称を公正・公平に表現しようという動き・流れがあるからです。

ポリティカル・コレクトネスによって言い換えられるようになった職業名称には、看護師(以前は看護婦とも呼ばれた)、助産師(以前は助産婦)、フライトアテンダントやキャビンアテンダント(以前はスチュワーデス)、保育士(以前は保母)等があります。

そのためビジネスマンという言葉も性差を含まない「ビジネスパーソン」に、商社マンも性差を含まない「商社パーソン」へ、営業マンは「営業職」もしくは「営業パーソン」に言い換えようという流れが起こっているようです。

■雇用機会均等法も影響している?

「マン」がつく言葉にはこの他にもいろいろとあります。例えば撮影を行うカメラマン、組織のトップをあらわすチェアマン、ホテルで働く人をあらわすホテルマン、さらにはヒーローの名前でよく使われる「○○マン」という言葉等です。この内、言葉の使い方で問題とされやすいのが、いわゆる性差の関係ない「職業」をあらわす「○○マン」です。

なぜ職業限定で「○○マン」が問題にされやすいのかというと、これには雇用機会均等法による影響が強いようです。

■人材募集で「マン」を使うときは要注意?

全国求人情報協会による「より良い人材と出会うためのワンポイント」では、営業マン、カメラマンなど男性名称が職種に含まれている場合、ウェイトレスや生保レディ、保母など女性名称が職種に含まれている場合は、人材募集をかける際の職種名称としてはNGと紹介されています。営業職やフォトグラファー、フロアスタッフなどの言葉に

ポリティカル・コレクトネスという考え方をどう受け止めるか、言葉はどう使われるべきか、表現の自由をどう考えるべきかという問題は多々ありますが、少なくとも「○○マン」という言葉を人材募集で使う際には、細心の注意が必要かもしれません。

言葉をどう使うべきなのか、一般的にどの言葉を選べば問題が少ないのかは、時代の移り変わりによって変わってきます。今は当たり前のように使われている言葉も、後々それを使うのは望ましくない言葉とされるケースもあります。「○○マン」という言葉が今後どう扱われ、今後どう変化していくのか、時代の流れを注意深く見守っていきましょう。

(画像は本文と関係ありません)

(ファナティック)