【ファンキー通信】ボーイズラブ作品は何で囲われてないの?

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 大きな書店で、ついたてなどに囲われた一角を目にしたことはないだろうか? 入り口付近には、「18才未満の人は購入・閲覧できません」の文字。・・・そう、青少年保護育成条例によって指定された「有害図書」(東京都では不健全図書)を販売しているスペースだ。

 東京都の「青少年の健全な育成に関する条例」によると、おもに「性的感情を刺激するもの・残虐性を助長するもの・自殺や犯罪を誘発するもの」が不健全図書として指定を受けるという。・・・ん? でも、ちょっと待って。男性同士の恋愛を描いた女性読者向けの作品、通称「ボーイズラブ」作品は、今でもフツーに売られてないか? 店によっては、特設スペースまで設けられているんですけど。

 同じく東京都の指定図書類の基準には、「全裸もしくは半裸、またはこれらに近い状態を描写することにより、卑わいな感じを与えるものであること」などと記されている。もちろん全てのボーイズラブ作品が当てはまるワケではないが、中には明らかに「こりゃあアウトだろう・・・」と思えるものも。なのに規制されていないのは、一体どういうこと? 世間は男性向けのエロに対し、女性向けのエロには寛容なの??

 「そんなことはないでしょう。現にレディスコミックも何冊か指定を受けていますよ。原則的に基準に触れる表現が1ページでもあれば、不健全図書として指定することになっています」(東京都青少年・治安対策本部健全育成課)

 指定図書類の選定は、実際に読んで行っているというから驚きだ。「これは基準に触れている」と判断したら、東京都青少年健全育成審議会に諮問。その答申によって、不健全図書として指定を受けるか否かが決まるという。

 では、ボーイズラブ作品が規制される可能性はあるのだろうか?

 「実際に見ていないのでハッキリとは言えませんが、可能性はもちろんあります」(同)

 不健全図書として指定を受けた作品は、他の作品と明確に区分陳列包装することが義務付けられる。冒頭で紹介した「ついたてなどに囲われた一角」も区分陳列のうちのひとつだ。ボーイズラブ作品が囲われる日も近い? (安田明洋/verb)

■関連リンク
東京の青少年 - 文中でコメントを寄せた東京都青少年・治安対策本部健全育成課のWebサイト
東京都公式Webサイト

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