Xperiaの復活には「紫色」が必要?香港でXperia Z3の新色発売が話題に

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日本では大人気のソニーのスマホ「Xperia」シリーズ。だが海外ではここのところ苦戦が続いている。昨年11月にはソニー・モバイルコミュニケーションズのトップが交代。それと前後して新興市場からの低価格モデルの撤退や、タブレット戦略の見直しも相次いで発表されている。

Xperia Z3シリーズに代表される同社のスマホは高品質・高スペック、他社にはない美しいデザインで人気が高い。とはいえハイエンドモデルはiPhoneとの競争が激化、ローエンドモデルは中国などの新興メーカーが台頭しており厳しい状況が続いている。

2015年はこうした状況挽回を目指すフラッグシップモデル「Xperia Z4」が間もなく発表されると見られている。だがその直前ともいえる1月に、Xperia Z3の新モデルが発表された。と言っても機能が変更されたわけではなく、新たに紫色のボディーカラーが加わったのだ。発表は香港で、その後台湾や中国でも発売されるものと見られている。

両面をガラスで覆ったXperia Zシリーズは、プラスチックや金属素材を使ったスマホと大きく異なり高級感が溢れる仕上げとなっている。海外においても、今では一部のメーカーが同じ構造を真似するほど知れ渡っており、”Xperiaイコール光沢感あるボディー”というイメージは世界中の消費者に大きく浸透している。


大胆なカラバリ変更を行ったXperia Z3。だが違和感を覚えた人も多いのでは?


●予想以上に大きかったXperia=「紫色」の存在
実は、昨年9月に発売されたXperia Z3やZ3 Compactは新製品のラインナップにちょっとした違和感を覚えた。

それはボディーカラーから紫色が無くなったことだ。

ソニーとしてはXperiaシリーズのユーザー層拡大や、新たなイメージを植え付ける目的であえて紫色を廃止したのだろう。だが、海外でも初代のXperia Zが発表されたとき、大きな話題となったのは他社には無い「紫色」という大胆なカラーだった。

Xperia Zシリーズは、登場以来、この紫色をメインとしてイメージを構築してきた。だがXperia Z3では白、黒、カッパーそしてシルバーグリーンの4色となった。ソニーの「紫色」と言えば、古くはノートPCのVAIOシリーズから利用されてきた伝統的なカラーでもある。ソニーのコーポレートカラーは紫色ではないものの、Xperiaといえば紫色、とすぐに思い浮かぶ人が多いほどイメージは定着していたのだ。

ソニーのスマホの減速は、半年おきという短期間に次々とハイエンドモデルを投入した結果、同じような製品ばかりになってしまったことが原因の一つと言える。その打開策としてXperia Z3でカラバリ変更を行ったと思われる。しかしXperiaの「顔」である「紫色」を無くなったことで、Xperia離れを加速させてしまった可能性は否定できない。

日本ではメジャーなーソニーのスマホも、海外ではここ数年でようやく知名度が高まったというのが状況だ。わずか1-2年でXperiaの人気が高まった理由には、機能だけでなく、デザインが優れた「紫色のXperia」のイメージが大きかったからだろう。


ソニー復活のためにも紫色ボディーの復活が待ち望まれる


さて香港で発表になった「Xperia Z3の紫色版」は、従来のXperiaシリーズの紫よりも淡く明るいカラーとなっている。香港では早くもこの新色が大きな話題になっているという。

今後のソニーは、モデル数を絞り、ハイエンドモデルは年1回の投入と言われている。
少数精鋭の戦略はソニーのような高性能モデルを得意とするメーカーには向いているだろう。そして大胆な紫色のボディーの復活は、新生ソニーの印象を改めて植え付けるものになるはずだ。機能、デザイン、そしてカラーリングと、他社にはない「ソニーらしさ」「Xperiaらしさ」を持った製品を投入すれば、ソニーのスマホは再び世界中で脚光を浴びるようになるに違いない。


山根康宏