「プリティ・ウーマン」にもう一つの結末が存在―実は全然ハッピーエンドじゃなかった!

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言わずと知れたジュリア・ロバーツの出世作、映画「プリティ・ウーマン」(1990年製作)。思わず口ずさんでしまう、あの軽快なテーマソングと共に、今もなお多くの女性ファンに愛され続けるロマンチック・コメディーの王道作品ですよね。

特に印象に残るのは、高所恐怖症のエドワード(リチャード・ギア)が、真っ赤なバラの花束を持ってヴィヴィアン(ジュリア・ロバーツ)の住むアパートの階段を駆け上がって迎えに行くラスト・シーン。

感動のハッピーエンド、まさに現代版のシンデレラストーリー。・・・なんですが、実はもともと最初に書かれた脚本は、そう明るい結末ではなかったようです。

TCMの記事によると、原作では、ヴィヴィアンは麻薬中毒という設定で、エドワードにはニューヨークに恋人がいるという設定になっていました。
エドワードは売春婦のヴィヴィアンを見下し、1週間分の報酬を「くれてやり」、ニューヨークの恋人のもとへ戻ってしまうのです。そしてヴィヴィアンもまた、また路上で客引きをする生活へ。ハッピーエンドどころか、とても後味の悪い、散々な結末だったのです。

原題も実は異なり、最初は「3000」というタイトルがついていました。これはエドワードが、ヴィヴィアンに払う一週間分の報酬3000ドルのこと。

ジュリア・ロバーツは、原作の脚本を「本当に暗くて、気が滅入る話だった。すごく嫌な2人の、本当に酷くて恐ろしい話。私の役は、麻薬中毒で気性が荒くて、口汚くて悪趣味で、知性のかけらもない売春婦だった。

エドワードはすごくお金持ちでハンサムだけど、でも(ヴィヴィアンと同じように)すごく嫌な人物だった。そのすごく嫌な2人の、本当におぞましい、醜い話だったのよ。」と語っています。

ハリウッドのプロデューサーに気に入られた原作の脚本が制作権が1700万ドルでTouchstone社に売却された後、シンデレラ・ストーリーの結末にするべく、脚色されました。麻薬中毒の部分とエドワードのニューヨークにいる恋人の部分はカットされ、今ではよく知られている、あのハッピー・エンドが作られたのですね。

原作のままの脚本だったら、もしかして大ヒットはしなかったのかもしれません。

ちなみに当時のジュリア・ロバーツの出演料は30万ドル。この作品でゴールデン・グローブ賞を受賞し、今では彼女の映画1本の出演料は463万ドル以上、名実ともに大スターとなりました。

一方のリチャード・ギアは、実は最初はこの映画の出演を断ったそうなのです。が、ジュリア・ロバーツと、ゲイリー・マーシャル監督が彼の自宅まで訪れて出演を懇願し、彼の主演が実現したそうです。

現実の世界の方も、充分ハッピー・エンドだったようですね。

This was the original ending to Pretty Woman (and you won’t believe it)
http://www.vogue.com.au/culture/features/this+was+the+original+ending+to+pretty+woman+and+you+wont+believe+it+,33949