「慰安婦に謝罪する必要ないという考えは恥ずかしい」 ミス世界一・吉松育美さんの発言に批判殺到
「芸能事務所の役員からストーカー行為を受けた」などと訴え、2013年末に話題になった、ミス・インターナショナル12年グランプリの吉松育美さん(26)が、思わぬことがきっかけでまた話題になっている。
いわゆる「従軍慰安婦」について、国内で「謝罪の必要はない」という意見が出ていることに対し、米国のラジオ番組で「恥ずかしい、憤っている」と発言したとして、日本のネットユーザーらが反発の声を上げている。
「sexual slaves」や「Japanese right wing」という言葉が飛び出す
吉松さんは14年3月29日(現地時間)放送のCBSラジオ「Women's Media Center Live with Robin Morgan」に登場、世界的に有名なフェミニスト・Robin Morgan氏と英語で対談した。
吉松さんが力を入れている「ストーカーゼロキャンペーン」について、安倍晋三首相の夫人・昭恵氏が協力してくれているという話から、Morgan氏が、安倍首相がいわゆる「従軍慰安婦」に謝罪する立場を取っているのは昭恵氏の働きかけによるものなのかと、「sexual slaves(性奴隷)」という言葉を使って吉松さんに質問した。
吉松さんは「そうだと思います」と答え、「Japanese right wing(日本の右翼)」の中には、「慰安婦は売春婦だったので謝罪する必要はない」という意見も出ているが、生き残った慰安婦の証言を聞くとそうではなかったという意見もある。日本人としてこうした(謝罪の必要はないという)コメントを恥ずかしく、また謝罪することが問題とすら考えられているのに憤りを感じるなどと語った。
この慰安婦に関する発言が一部の日本人の怒りに火を付けてしまったようだ。放送の日本語訳を掲載したサイトがネット上で拡散され、吉松さんのFacebookに「慰安婦の問題を語るには相当勉強しないと足元をすくわれますよ。痴漢の冤罪に加担しているのに等しいです」「教養がないならデリケートな国際的政治問題を語ってはいけません!」「今回の発言によってあなたがただの"無知な美人"として世間に認知されたことは間違いない」など、非難が多数書き込まれる事態となった。
「勉強不足、言葉足らずで大変な混乱と誤解を招きました」
騒ぎを受けて、吉松さんは14年4月4日、「お詫び」と題したブログを更新した。
「先日のCBSラジオでの一部翻訳により皆さんに誤解と混乱を招いた事をお詫び申し上げます。みなさんが参考にしている翻訳は応援して下さる日本の方々が分かるようにとボランティアで第三者が作成したものであります。翻訳を作成してくださった方も英語と日本語という違う言語を一生懸命に伝えようとしてくれていたはずです。しかし、言葉とニュアンスの違いにより誤解を招くような表現となっていたため私からもお詫び致します。100人いれば100通りの意見や考えがあり、それを表現また発言する自由は100人全員に与えられています。それぞれの意見を批判や否定をするつもりも、私の意見を押し付けるような思いも一切ありません。また、どんなことでも関心をよせ、自分自身の意見をしっかり持つことは素晴らしいと思います。色んな意見を寄せてくださった方、ありがとうございます」
さらに4月7日にもFacebookで、
「今回の発言には勉強不足、かつ英語でのインタビューで言葉足らずな部分もあり、皆さんに大変な混乱と誤解を招きましたことお詫び申し上げます。私は、女性がいきいきと生きていける社会になってほしいと願っています。ただ慰安婦という女性の生き方、またそのような状況に身を置かなければならなかった女性がいたことに対して、悲しく感じているのです」
と釈明した。
それでも怒りがおさまらない人が少なくないようだ。Facebookのコメント欄には「『英語だったから』はミスインターナショナルのあなたの言い訳にはなりません。日本人が英語がわからないと勘違いしないで下さい。ごまかしは通用しません」「発言自体は撤回してませんよね。きっちり『撤回します』と、発言するべきではないでしょうか?」「とにかく日本代表と肩書が付いた人間が国際社会に発信してしまったのだから、FBでうわべだけの謝罪されても何の意味も持たない」などの意見が続々と寄せられ、騒ぎはしばらく鎮火しそうにない。