中国では日本の神戸ビーフの人気が高く、“食の都”と称される杭州の日本食レストランでは、150グラムあたり500元(約8000円)ほどで供されているというが、「神戸ビーフ」は日本から中国へ輸出されていない。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では日本の神戸ビーフの人気が高く、“食の都”と称される杭州の日本食レストランでは、150グラムあたり500元(約8000円)ほどで供されているというが、「神戸ビーフ」は日本から中国へ輸出されていない。

 銭江晩報によれば、中国で「神戸ビーフ」と謳われている牛肉はすべて中国産牛肉などを神戸ビーフと偽装しているか、もしくは検疫を通過せずに持ち込まれた密輸品であるという。

 中国は牛海綿状脳症(BSE)などの発生を理由に、2001年から日本産牛肉および関連製品の輸入を全面的に禁止しており、質検総局の輸入禁止リストにおいても、日本産牛肉は禁止となっている。

 本物の神戸ビーフが流通するはずがない中国で販売、提供されている“神戸ビーフ”は一体、どのような牛肉だろうか。報道によれば、中国で“神戸ビーフ”と称されている牛肉は密輸品もしくはオーストラリア産や中国産を偽装したもの、または普通の牛肉に脂肪を注射して作ったニセモノのいずれかに該当するという。

 特に普通の牛肉に脂肪を注射して作ったニセモノは一見すると霜降りの上等な肉に見えるらしい。記事は取材の結果、霜降りは人工的に作り出すことが可能だとし、「中国で流通する霜降り牛肉のうち、“人工霜降り”も数多い」と報じた。脂肪分の少ない中国産の牛肉に脂肪分を注射し、冷凍された状態で流通しているという。

 “人工霜降り”の牛肉が流通していることを知る関係者は、「お得感があることがポイントだ。高級牛肉は1キロあたり1000元(約1万6000円)以上もするが、加工された霜降り牛肉は1キロあたり100元(約1600円)をわずかに超える程度だ」と語った。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)