Pick Up Player 2013 vol.1 専修大学 MF 7 長澤和輝
王者・専修大学の7番は今季の関東リーグで一番注目されていると言っても過言ではない。昨季の関東一部リーグでチームの半分近い得点を演出した長澤和輝(4年・八千代)のことだ。
毎試合、厳しいマークが彼には付くが、どのチームとてそれは例外ではない。その理由は単純だ。攻撃に必要な全ての能力を、高い次元で兼ねそろえているのである。それも全国に大学リーグが複数ある中で最もレベル高いこのリーグにおいて、匹敵するものがいないと言っても過言ではないほどに。ボールを受けるときには次のプレーを決断しており、それをミスせず実行できる足元の技術を持つ。そして何より、その決断した先のプレーがどれも"その状況における最適解"なのである。第2節の東洋大との一戦でも、それは幾度と無く見られた。もちろん毎度のことのように厳しいマークが付いたが「去年からやられているので」と全く気にする様子は見せない。激しいチェックが来る中でも次のプレーを相手の予測より数歩早く実行し、そのたびに客席からはため息が漏れていた。難問に対して毎度のごとく正解をはじき出すその姿はサッカーというスポーツが簡単に見えてしまうほど。
今年は3ヶ月の期間限定でJ1・横浜F・マリノスに特別指定選手として加入しているが、進路は決定した訳ではなく、そこに関してはあくまでも慎重な姿勢を貫いている。「試合に出ることを優先して下のカテゴリのクラブを選択するのも1つだけど、行けるのであれば上のクラブに行きたいと思っている。色々考えてます(笑) 」 心にある種の余裕も見られる。
次節、専修大が相対するは慶応義塾大学。昨季の成績を見れば格下と見てもおかしくない。しかし、それでも決して油断はしない。それもこの2試合でのチームのパフォーマンスが決して納得の行くものではなかったからであろう。
「慶応義塾大は松下純土選手とか武藤嘉紀選手だったり、全日本で一緒にやっている選手もいる。個の力があると思うので、今節で出た問題を改善して次節に臨みたい。専修の持ち味である攻撃的なサッカーをしたい」十分、この昇格組との開幕2連戦でその攻撃性は見せることが出来ていたとは思うが、この男にとってはまだまだらしい。飽くなき向上心を持つこの男の向かう先、そして行く末はどこまで高いところなのだろうか。絶対に目を離してはいけない存在だ。
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