「高額ギャラ」「キャスティング全権」の特別待遇

 10月10日にスタートした11シリーズ目が絶好調のテレビ朝日の人気ドラマ「相棒」。だが実情は、主演・水谷豊(60)の“絶対暴君”化に悩まされているのだ。

 今年度上期(4〜9月)のプライムタイム(19時〜23時の時間帯)の平均視聴率が12・2%で、開局以来初めて首位を獲得したテレビ朝日。7月にも初の四半期視聴率で4冠を達成したこともあり、ノリにノッている。そんなテレ朝躍進の「立て役者」と呼ばれているのが、ドラマ「相棒」シリーズである。

 テレビ誌記者によれば、「00年6月に2時間ドラマ枠で放送され、17・7%の平均視聴率を獲得、以降、02年10月から連続ドラマ化され、最近では平均視聴率20%超えは当たり前で、視聴率は高水準で推移しています」

 レギュラー放送だけでなく、再放送も確実に視聴率を稼ぎ出せる超優良番組として、他局もうらやむほどなのだ。

「日本テレビの裏番組の視聴率が『相棒』の再放送に負けて打ち切りになりました」(制作会社ディレクター)

 だが、その一方で、主役の杉下右京役を演じる水谷の発言力は増すばかり。

「水谷さんの存在は今や“テレ朝の絶対君主”と呼ばれるほど、誰も逆らえない状況なんです。セリフについても水谷さんの物言いが入ればすぐに書き直すことは常識。金銭面でももともとギャラに細かい人でしたが、現在の大ブレイクでますます高騰しています。1回の放送で500万円は下らないはずです」(芸能記者)

 もはやテレビ局幹部すらひれ伏す水谷の威光がいかんなく発揮されたのが、第10シリーズで、“相棒”をお役御免になった及川光博(44)の降板劇だった。

「水谷さんはキャスティングにも口を出し、2代目の“相棒”だった及川さんは、突然、降板を言い渡されたそうです。まさに寝耳に水の話だったと、関係者も驚きを隠さなかった」(前出・テレビ誌記者)

 そもそも「相棒」に抜擢された及川と水谷の関係は良好だった。ところが‥‥。ドラマ関係者が打ち明ける。「『相棒』共演がきっかけで檀れい(41)と結婚した及川さんですが、水谷さんが仲を取り持ったというのは有名な話。しかしその一方で、及川さんと『相棒』の女性スタッフとの“関係”が問題になっていたといいます。現場の和を重んじる水谷さんは、それを見て見ぬ振りができなかったのではと言われているんです」

 さらに初代の“相棒”だった寺脇康文(50)との不仲も深刻だ。最終的には寺脇は「『相棒』のイメージがつきすぎる」(前出・ドラマ関係者)という本人サイドの申し出により降板したが、「それ以前に演出を巡って言い争いが絶えなくなった。撮影中も水谷さんと寺脇さんのやり取りがギクシャクするようになっていた」(番組関係者)

 その後、寺脇サイドが復帰を画策したこともあった。しかし、水谷サイドが断ったという経緯もあり、今や「共演は考えられない」(民放番組スタッフ)状況だという。「今シリーズ制作前に、寺脇さんの所属事務所が“亀山復帰”(寺脇の役名)を打診したそうですが、水谷の意をくんだのかプロデューサーが了承せず、それならばと同事務所の小出恵介さんをプッシュしたものの、こちらも却下されたことも追い打ちとなった。10月末に刑事役で出演している俳優の川原和久の披露宴は、『相棒』の関係者が勢ぞろいする中、寺脇がいなかったのも偶然ではありません」(前出・ドラマ関係者)

 今回の相棒である成宮寛貴(30)のキャスティングにしても水谷の承認なしにはありえなかったという。「最終的なキャスティングはもちろん水谷さんが口を出すが、そんなに扱いにくい人ではない。今回500名近いオーディションを経て、最終的に50人ほどにしぼられた。そこには、要潤さん、桐谷健太さん、高岡蒼佑さんなどがいた。成宮さんに決まったのは、演技力や水谷さんと並んだ時のバランスなど、総合的に評価した結果だと思います」(テレビ朝日関係者)

 実際、初回の視聴率平均は19・9%と絶好調。「『相棒』シリーズを企画したプロデューサーは、08年にゼネラルプロデューサーに昇進しています」(前出・ドラマ関係者)

 水谷のイケイケぶりは、当分続きそうだ。