ローマMFダビド・ピサーロが4日、ルイス・エンリケ監督がチーム全体に命じた練習後のストレッチを行わずにトレーニングを切り上げた。指揮官が何度も呼び戻したが、ピサーロは呼びかけを無視。トリゴリアの練習場にはローマの一部幹部もおり、この場面を目にしている。

ピサーロは数日前からユヴェントスへの移籍を噂されている。この日の行動はローマからの退団を後押しすることになるかもしれない。

そのピサーロについて、ユヴェントスMFアルトゥーロ・ビダルは次のように話している。

「とても優れた選手だ。この数日は話していないけど、彼に聞かれたら、ユーヴェに来いと伝えるだろうね。ここはとても明るいし、これほど穏やかな雰囲気のチームはほかになかなか見つけられないよ。僕もすごくよく迎え入れてもらって、トリノは家のようだと感じている。イタリアの居心地は良いし、家族とミラノやジェノヴァ、そのほかの街を訪れた。トリノのことはもうよく知っているよ」

ユヴェントスの秘密はおそらく中盤にある。ビダルとアンドレア・ピルロ、クラウディオ・マルキージオによる中盤は格や運動量、ゴール、アイディアを保証してくれる。驚きだったのが、すぐにイタリアのサッカーに溶け込み、ピッチでパーソナリティーを見せているビダルだ。

「ユーヴェの中盤が欧州のトップかどうかは分からない。それは君らメディアが言うことだ。でも、強いことは確かだね。(アントニオ・)コンテ監督による中盤の3枚の中で、僕は完璧なやりやすさを感じている。バルセロナやレアル・マドリーの中盤もすごく好きだけど、ウディネーゼの中盤も決して過小評価してはいけない」

ビダルはイタリアサッカーの戦術面を称えている。

「ブンデスリーガと比べて守備が強く、スモールチームがビッグクラブを倒すことも多い。レヴァークーゼン時代に、プロヴィンチャで苦しむことはあまりなかった」

ドイツではもう少しゴールを決めていたビダルだが、セリエAではここまで2ゴールにとどまっている。

「でも、ゴールが恋しいということはない。もちろん、もっと決めたいとは思っているけど、特に大事なのはチームが勝つことだ」

チリ代表で10試合の出場停止処分を科されたことについて、ビダルはこうコメントしている。

「僕はユヴェントスで良い仕事をし、処分が終わったときに代表のユニフォームを着る準備をすることだけを考えている」

ビダルが考えていることの中心にあるのはユヴェントスということだ。

「僕はバイエルン(・ミュンヘン)やナポリではなく、ユヴェントスを選んだ。それは、このユニフォームを着ることが夢だったからだ。今はリーグ制覇を願っている。有利なのはミランで、ほかにもインテルやウディネーゼ、ナポリ、ローマといったライバルたちがいるけどね。(ローマからマルコ・)ボッリエッロが加わった。経験豊富でビッグクラブにいた選手だ。僕らを大きく助けてくれるはずだよ」