Jを目指すクラブ、そうでないクラブ。JFLの楽しみ方【多岐太宿】
■混戦が続く今季のJFLを見る
西が丘サッカー場は素晴らしいスタジアムだ。目を閉じても、色鮮やかにフットボールを感じることが出来る。選手の息遣い、ピッチ上を跳ねるボールの音、そして――。
心臓の痛くなる大混戦の続くJFL。各クラブが足並みを揃えて一進一退を繰り広げるなか、それでも“JFLは今季で卒業、来季はJ2”を心に秘めている筆者は、JFLを楽しみつくすためのアウェイ旅に今月も赴いた。10月のアウェイ遠征に訪れたのは、東京である。
■1939年創部の、横河武蔵野FC
横河武蔵野FCは、長らく横河電機サッカー部として活動してきた。創部は何と1939年で、現在のJFL加盟クラブの中では最も長い歴史を刻んできた老舗である。2003年から東京都武蔵野市を拠点に、現在の名称に変更された。今年で13年目を迎える“JFLの雄”。トップチームの活動はもちろん、下部組織での選手育成にも力を入れ、日本代表にまで上り詰めた李忠成や、東京ヴェルディで目下売り出し中の阿部拓馬などを輩出してきた。
JFLは「長くいる場所ではない」という意見を耳にする。金銭面でシビアな戦いを強いられるだけに、「JFLでの戦いは消耗するだけ。早く卒業した方がいい」というわけだ。
しかし、J2に昇格した多くのクラブが理想と現実の乖離に苦しむなかで横河武蔵野を見ると、果たして何が正解なのか分からなくなる。自問してみても、結局は堂々巡りのまま、回答は提示されずに終わるのが常である。
先日の天皇杯2回戦で横浜FCに快勝して、見事3度目の“ジャイアント・キリング”を成し遂げた松本山雅だが、リーグ戦ではそう上手くいかないのは予想出来た。J2のクラブという格上が相手だからこそ、リアクションサッカーがはまったのであって、JFLの、その中でも残留争いを繰り広げているクラブはまずは失点しないサッカーをしてくることは誰でも理解出来る。ゴール前を固めてくる相手の守備をこじ開け、勝ち点3をものにするのは容易いことではない。
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著者プロフィール
多岐太宿
物書きを目指していた2004年末、地元に偶然にもアルウィンと松本山雅FCがあったことから密着を開始。以来、クラブの成長と紆余曲折を偶然にも同時進行で体感する幸運に恵まれる。クラブ公式、県内情報誌、フリーペーパー等に寄稿。クラブの全国区昇格を機に、自身も全国区昇格を目指して悪戦苦闘中。
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