田中貴金属工業は9日、同社が提供する貴金属ジュエリーリサイクルシステム『RE:TANAKA』(リ・タナカ)で、8月の金の買取実績が約1.9トン(1917.5kg)、プラチナの買取実績が約0.17トン(167.8kg)と、サービス開始以来最高の月間買取実績を記録したと発表した。8月は、金の国際価格が史上最高値を更新し続け、国内価格も、1980年以来31年ぶりの高値圏で推移したため、金を現金化する動きが活発だったことが背景にあると見られる。

 金の8月の買取実績約1.9トン(1917.5kg)は、2010年の金の月平均買取実績0.3トン(306.7kg)と比べると約6.25倍、2010年年間の金の買取実績3.7トン(3680.9kg)と比べると約半分(52.1%)を1ヶ月間で達成した。

 また、プラチナの8月の買取実績約0.17トン(167.8kg)は、2010年のプラチナの月平均買取実績0.04トン(38.5kg)と比べると約4.36倍、2010年年間のプラチナの買取実績0.46トン(462.2kg)と比べると約1/3(36.3%)を1ヶ月で達成したことになる。

 同社によると、金の国際価格は、2011年欧州諸国のソブリンリスクの高まりや米国の景況不安を背景に上昇し、2011年4月に1トロイオンス1500ドルを、7月には1トロイオンス1600ドルを突破。8月には、米格付け会社が米長期国債の格付けを1段階格下げしたことを皮切りに、わずか1ヶ月の間に1トロイオンス1700ドルの大台を超え、1トロイオンス1800ドルを突破し、1トロイオンス1886.5ドルの史上最高値を記録。8月1ヶ月間で250ドル以上も上昇した。

 日本国内においても、1ドル70円台後半という超円高の中で、8月の金価格は、2日の4053円/g(税抜)を底値に上昇を続け、8月23日には1980年9月以来31年ぶりに4700円/gを超える4745円/g(税抜)を記録。税込価格で4982円/gとなり、税込価格ながら5000円/gをうかがう高値圏で推移した。

 リサイクル価格も国内価格の上昇に比例して上昇。貴金属ジュエリーで多いK18(18金)のリサイクル価格は、8月23日に『RE:TANAKA』(リ・タナカ)サービス開始以来最高値の3329円/gを記録した。

 「金の国際価格が、8月1ヶ月間で1トロイオンス250ドル以上上昇し、国内価格が31年ぶりの高値圏で推移するなど金市場が活発に動いたことから、『RE:TANAKA』(リ・タナカ)においても、貴金属リサイクルに注目が集まり、リサイクル市場が活発になっている事がうかがえる」と同社はコメントしている。