ハードルを低くして、あとでゴタゴタするのはもうたくさんだ。名古屋場所の幕を閉じたばかりの7月25日、両国国技館内で定例の横綱審議委員会が開かれ、14勝1敗で12場所ぶり2度目の優勝をした日馬富士(27)の綱取りが話題となった。
 横綱の昇進条件は、横審の内規で「2場所連続優勝あるいはそれに準ずる成績の者」となっているが、昭和62年に1回も優勝しないまま横綱に昇進した双羽黒が、トラブルを引き起こし廃業して以降、7人連続して2場所連続優勝での昇進が定着化している。
 しかし、白鵬の一人横綱状態でもう1年半。名古屋場所中に白鵬も、「早く新しい横綱が出てきて欲しい。2場所連続優勝しなければいけないという条件を緩めたっていいじゃないか」と発言。この日の横審でも、鶴田卓彦委員長も私見と断りながら、「準優勝でも、内容次第では昇進を認めてもいいんじゃないか」と、これに同調する発言をしたのだ。

 これに対し、協会内からは早くも異論、反論が噴出。
 「唯一の日本人大関だった魁皇が引退した今、条件を緩めれば角界はますます外国人天国になる。八百長問題のときも、協会方針をボイコットしようとわめく外国人力士たちを説得し従わせたのは魁皇。横綱が2人ともモンゴル人となれば、力士会がいよいよ暴走すると心配する親方たちは多い」(大相撲担当記者)

 加えて、日馬富士の朝青龍化を心配する声も多い。
 「朝青龍は妻子をモンゴルに置き、場所が終わると脱兎のごとく帰っていた。日馬富士もまったく同じ。奥さんは去年の暮れに誕生した長女とモンゴルに帰ったまま。名古屋場所では千秋楽の翌日にはさっさとモンゴル行きの飛行機に飛び乗ってしまった。ますます朝青龍流を貫く可能性は高くなります」(協会関係者)

 日馬富士の綱取りの結果やいかに。