福島第1原子力発電所の事故を受けて、南方都市報や21世紀経済報道など各メディアはこのほど、中国の核汚染も進んでいると指摘する評論を掲載した。原因は、放射性廃棄物の不適切な処理にあり、国内各地で使用済み核燃料がの蓄積が進んでおり、問題が極めて深刻化している。博訊網が伝えた。

 中核集団公司高速増殖炉主席専門家を務める中国原子力科学研究院高速増殖炉工程部の徐総工程師は、今回の福島原発放射能漏れ事故について、「中国国内にも同じような危険がある。国内では、原発の建設やウラン鉱資源の開発だけが重視されており、背後の問題に対する認識が十分ではない。使用済み核燃料の処理問題が解決されないまま、新しく建設された原発でさらに大量の使用済み核燃料が生み出される。これが年々蓄積されており、安全面での隠れたリスクは極めて大きい」と話している。

 現在、中国にとって最も大きな核の脅威は、日本の原発事故ではなく、核汚染の隠れたリスクに関し、中国政府が故意に口を閉ざしていること、そしてそのリスク自体を軽視していることにある。(編集担当:松本夏穂)



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