中国メディアはこのほど、インターネット検索大手の米グーグルの中国現地法人3社に脱税問題があったと報じた。また新浪(SINA)や天涯社区といった中国インターネット企業も相次いで、グーグルとの業務面や資本面での協力関係を解消したと発表した。中国各メディアは「トラブルメーカー」のグーグルが中国市場でパートナーを失い、苦境に陥ったと伝えている。

 3月31日付経済日報(電子版)によると、中国の税務当局は税務上の違法行為があったとして、米グーグルの中国現地法人2社と代理業者1社を処分した。報道によると、3社は偽の領収書を使ったり、「マッサージ代」など業務と関係のない経費を計上するなどし、営業税を規定通りに納めず、4000万元(5億1100万円)を脱税していた。すでに追徴課税、罰金は支払われたが、税務当局はさらに租税回避の疑いで調査を進めているという。

 また北京商報などによれば、中国語掲示板サイト「天涯社区」を運営する天涯在線は30日、昨年末にグーグルから自社株を買い戻し、資本提携を解消したことを明らかにした。大手ポータルサイトでグーグルの重要パートナーだった新浪(SINA)もこのほど、グーグルの検索サービスを終了して、独自の検索技術を提供すると発表した。

 グーグルは2007年に天涯や新浪と協力関係を築き、中国の検索最大手の百度(Baidu、バイドゥ)に対抗して中国市場でシェアを伸ばした。しかし昨年3月に中国本土から撤退し、検索サービス拠点を香港に移してから、ユーザーが激減。ピーク時の2009年第4四半期に35.6%あったシェアは2010年同期には19.6%に落ち込んだ。中国メディアはグーグルは中国本土で「じり貧」になりつつあり、今回の脱税事件は「泣き面に蜂」だと述べている。(編集担当:阪本佳代)



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