19日のセビージャ戦で1−0と勝利したレアル・マドリー。カードが飛び交い、審判が多くのミスを犯した試合後、レアルの幹部ホルヘ・バルダーノはテレビノインタビューで、「マドリーは審判について話さない」と語った。だが、クラブ内部で統一がとれていないのは明らかだ。ジョゼ・モウリーニョ監督が記者会見で、A4の紙をなびかせながら、「審判の深刻なミスが13個もあった」と語ったからだ。

モウリーニョ監督は「試合? 何の試合だ? 先週の試合のことか? 今日、私は試合など見なかった。試合などなかったんだ」とコメント。さらに次のように続け、クラブに対しても不満を表した。

「昨日(18日)、私はプレッシャーに疲れていないか尋ねられた。まったくそんなことはない。私が疲れているのは、ほかの人の代わりにチームのことを守らなければいけないことだ。今日、私がチームを守れば、明日は私が新聞の一面となり、ベンチ入り禁止処分を科される。そして私は自分が好きなこと、選手たちと一緒にいることができなくなるんだ。幹部たちにチームを守ってもらいたい。彼らは表に出る監督の後ろに隠れたがっているだけだ」

モウリーニョ監督はさらに、「我々とバルセロナの勝ち点差が2ポイントではなく、4ポイントや5ポイントになるように、彼らは完璧な条件をつくり上げた。理由なく我々の2選手が出場停止になった先週から準備されていたことだ。(レアルとバルサの)勝ち点差を広げたがっていた人間は、我々の力にイラついているんだよ」ともつけ加えている。

セビージャ戦のハーフタイムには両軍のスタッフがいさかいを起こし、レアルのGKコーチが70歳代のチーム関係者を突き飛ばす場面も見られた。スペイン『アス』は20日、「ひどい光景だ。マドリーが再びそのイメージを壊す一歩となった」と批判している。同紙のアルフレド・レラニョ氏は、次のようにモウリーニョ監督を糾弾した。

「彼は注意を払うように求めた。13度の判定ミスが書かれたメモを持ち、クラブからの保護がないと訴え、バルダーノを非難した。血と汗、涙を流して得た勝利のイメージを壊したのだ。フロレンティーノ(・ペレス会長)は手に負えない様子。私には挽回する力がないように思われる。だが、マドリーはこうではない。決してこういうことはなかったし、こうあってはならないのだ」

しかし、モウリーニョ監督は会見で、「ハーフタイムの騒ぎ? ノーコメントだ。私は会長と会議をしたい。君らではなく、彼と話した方が良い。我々は素晴らしい関係にある。それぞれに考えがあり、意見の相違もあるが、すべては解決できることだ。彼に会いたい。ほかの人と話すのは無意味だ」と話している。同監督はFWカリム・ベンゼマに納得しておらず、別のストライカーの獲得を望んでいるが、ペレス会長はまだベンゼマにほれ込んでいる様子だ。

なお、モウリーニョ監督は「観客たちからもう少しを期待している。求めることはできないがね。ここには違う分解がある。試合の見方が異なるんだ」と、本拠地ベルナベウのファンに対しても不満を表している。