日本代表への関心高まる中国、著名な評論家もベタ褒め&自国の奮起促す。

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W杯開幕前の予想を覆し、16強進出を果たした岡田ジャパン。日本がグループリーグ最終戦でデンマークに3-1というスコアで勝利を収めた結果、中国での日本代表への関心も確実に高くなっており、主要メディアにも連日関連記事が掲載されている。そうした中、中国有数のサッカー評論家が日本代表の強さを分析。日本代表と中国代表の違いを挙げるとともに、自国サッカーに奮起を促している。

この評論家は現役時代に中国代表MFにも選ばれた経験を持つ徐陽氏。徐氏はまず「このまま(日本代表が)ベスト8、ベスト4に進んだとしても私は驚かない」と話し、「中国代表では成し遂げられない結果を日本代表は出した」と日本の戦いぶりを評価している。

徐氏が日本代表の強さの源として挙げているのは、日本の青少年のためのサッカー育成プログラムだ。徐氏は今年初めに日本を訪れ、アマチュアのサッカークラブや大学チームなどを視察。日本の大学チームに所属している選手の多さ、特別指定選手制度が日本のプロサッカーの基礎を築いている現実などを知り、「中国が数年で日本に追いつくことは絶対に不可能」と思い知らされたのだという。

実際、日本は中田英寿選手、中村俊輔選手、そして今大会の本田圭佑選手と、数年ごとにアジアレベルを超えたスターを生み続けているが、中国にはいまだそうした流れができていない。徐氏はそれに対して「中国には日本のような分厚い基礎がないから」と理由を述べる。

また、日本人のサッカーに対する真摯な態度も日本サッカー躍進に大きな役割を果たしていると徐氏は見ているようだ。その理由として徐氏は「20数年前、日本人は自分たちの身体的ハンデを克服しようと(サッカーに関する)技術を研究してきた」とし、デンマーク戦やオランダ戦を引き合いに出して「運動量の多さ」が今の日本代表を支えているとしている。

とは言え、徐氏にとっても日本代表FWの人材不足は気がかりな点であるらしく、それが「日本代表の発展の妨げ」になっていると話す。しかしながら、着実に物事を成し遂げてゆく日本人のこと、「遅かれ早かれその問題も解決するに違いない」と結論付けている。