W杯グループリーグの組み合わせが決まり、フランスは開催国・南アフリカを筆頭とするグループAに入った。

 欧州予選では、アンリが“神の手”でアシストしたゴールでプレーオフからかろうじて勝ち上がったフランス。組み合わせ抽選前には第1シード国から外れて緊張が高まっていたうえ、抽選会のリハーサルでは、フランスのクジを引いた南ア出身の女優シャーリーズ・セロンさんから「アイルランド」とキツいジョークでコールされるなど、肩身のせまい状況だった。

 しかし抽選が終わってみれば、強豪国との争いが避けられ、南ア、メキシコ、ウルグアイと比較的楽な組み合わせに。いずれも最近では敗れたことのない相手ばかりだ。

 ドメネク監督は「開催国との対戦は決して楽ではない。誰もが我々をグループの本命と見ているが、その根拠がわからない」と慎重な口ぶりだが、その表情からは内心ホッとしているようすが明らかだ。

 予選でのフランスの苦戦に苛立ち、「すべての元凶は監督」とアンチ・ドメネクの急先鋒に立った元フランス代表のクリストフ・デュガリー氏(現解説者)も、ドメネク監督の“悪運”には舌を巻かざるを得ない。

 レキップ紙にグループリーグの組み合わせについてコメントを求められた同氏は、「これよりいい組み合わせはそうないんじゃないか? 心底ホッとした」と抽選結果を「大成功」と喜んだ。毛嫌いする指揮官については、「協会はよくぞドメネクに監督を続投させたものだ。彼ほど運の強い監督を見つけるのは不可能だろう。フランスは少なくとも準決勝まで行って、ドメネクは大会後に契約をまた2年延長するだろうね」と皮肉たっぷりに答えた。