フランスのサンテティエンヌが18日のUEFA杯決勝トーナメント2回戦セカンドレグでブレーメン(ドイツ)と2―2で引き分け、ファーストレグで敗れているため、準々決勝進出を逃した。

 序盤からブレーメンが効率よくゴールをあげ、前半28分で2点をリード。後半になってようやく巻き返したサンテティエンヌだったが、ゲームを振り出しに戻すのが精一杯だった。

 先週末にペラン監督が(リーグ・アン残留が至上命題であるサンテティエンヌにとって)「UEFA杯は重荷、勝ちにはいかない」とコメントして批判を受け、前々日には「ユニフォームに恥じない試合をしたい」と前言をなかば撤回したが、この試合で敗れることなく予選敗退という結果。どちらの発言も実現したことになり、本音を言えば満足といったところだろう。

 しかしリーグ戦につなげるという意味では、試合開始早々に点を取られたことが悔やまれる。DFに5人を並べた布陣で臨んだだけに、「ゴールを与えないことがこの試合の目標だったが、セットプレーでのマークミスであっさり点を失った」(フランス3局の試合後インタビュー)と表情は固い。

 試合前のレキップ紙の予想ではスタメンから外れていた松井大輔だが、右の2列目で先発出場した。翌日の同紙は、選手評の欄でこの試合の“キーパーソン”に松井を挙げている。ただし“悪い結果”の原因としてだ。「進退きわまる松井」と見出しをつけ、FWゴミスらと並び両チーム最低の3点(10点満点)という採点を与えた。

「何週間も(前監督から)干され、首脳陣から誹謗された松井だが、ここへ来て出場機会を取り戻している。しかし昨晩は、イマジネーションとプレーの読みを欠いたばかりか、体力不足から1対1であまりに多くのボールを失った。レベルに達していない。80分に途中交代。代わって投入されたパイエットは同点ゴールのアシストをした」と非常に厳しい評価を下している。

 四半世紀ぶりで欧州の舞台に返り咲いたサンテティエンヌ。そのかつての名門に今シーズンから加入した松井にとって初の欧州カップだったが、わずか2試合の出場にとどまり、苦い形で幕を閉じた。