漫画「ドラゴンボール」における「ベジータ」の魅力を思うままにつづった「3分でわかるベジータ」は意図せず女性向けの内容になってしまった。ついでといってはなんだが、女目線でもう一人注目しておきたいキャラクターを紹介しよう。「人造人間18号」だ。

 18号は“人造人間編”の敵として登場。一見ただのクールな美少女だが、「孫悟空」に恨みを持つ天才科学者「ドクター・ゲロ」の手によってパワーもスピードも人間離れした殺戮マシンに改造されていた。実力はかのベジータですら歯が立たないほど。このキャラクターがとにかく男性に人気があるのだ。

 DB好きの男性に好きな女性キャラクターを聞くと、まず間違いなく18号の名が挙がる。私はこれが不思議でならなかった。同じ女性からすれば悟空やベジータにふり回されていると見せかけて実は上手に操縦している「チチ」や「ブルマ」に一目置いてしまう。男性だけにわかる18号の魅力とは一体なんなのだろう。

 悟空を殺す目的で作り出された18号は、同様の「人造人間17号」とともに生みの親であるゲロを殺す。さらにかつてのベジータや「フリーザ」のように地球を侵略、破壊しようとする……のではない。彼女の目的は悟空の殺害でありそれ以外のことにはさほど興味がないようで、(あくまでも並列世界の一つである物語の舞台となった時間軸では)必要以上に命を奪うことはしなかった。そこに現れるのが絶対悪「セル」、“完全体”を求めて18号の肉体を吸収しようと画策している。

 18号ははなから超ド級の悪者ではない。加えてセルの登場により悲劇性がぐっと上がり、その輝きを増幅させている。読者はベジータをふっ飛ばすほどの強さを持つ美少女の中に存在するやりきれない悲しさを見つけ、胸を焦がすのであろう。

 そんな18号に心を射抜かれたのは読者ばかりではない。いち早く18号の魅力に気づき、虜となったのが「クリリン」だ。ベジータとの戦いの後、クリリンは18号に目的を問いただす。しかし18号はそれを軽くあしらい、からかうように頬にキスをするのだ。これ以来クリリンは18号を想うようになるわけだが、これがピンとこない。たった一度の、しかも頬へのキスだけで? まったく、男性というのは謎に包まれた生き物だ。

 その後18号とクリリンが1子をもうけるようになるまでにどんなロマンスがあったのはかわからない。しかしセルを倒した後にクリリンがドラゴンボールの力で18号の体内に埋め込まれていた爆破装置を解除した時、18号はいいツンデレっぷりを見せた。この場面が描かれたのは15年以上も前のことであるからツンデレという言葉はなかったと思うが、これ以上しっくりくるフレーズはないだろう。

 ツンデレ美少女、しかもサイボーク。18号は今にして思えば萌え要素満載だったわけだ。結論として、18号のモテ術を現実に生かすことは難しいだろう。現代を生きる我々にとっては改造された肉体を持つことがほぼ不可能であることはもちろん、美しく生まれることすら思うようにならないからだ。おまけに作られたツンデレほどみっともないものはない。

 しかし18号を通して一つだけわかったことがある。時代が移ろうとも男性のツボは変わらないということだ。これを踏まえて男性への感謝の言葉の前に『バーカ!』の一言でもさり気なくはさんでみるのもいいかもしれない。効果のほどは保証しないが。

(編集部:三浦ヨーコ)


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