上木彩矢
 23歳の誕生日を迎えた9月10日、サードアルバム「Are you happy now?」をリリースした上木彩矢。アルバムリリース後に開催するワンマンライブも今年で3年目を迎え、10月15日からは名古屋・E.L.Lを皮切りに「AYA KAMIKI LIVE 2008 〜Are you happy now?〜」がスタート。23日の東京・赤坂BLITZにてファイナルを飾った。

 重低音のリズムが場内を“和”な雰囲気に染めていく中、5人のバンドメンバーに続いて、上木は黒のスカルTシャツにブラックデニムといったラフなスタイルで登場。「君去りし誘惑」から勢いよくライブをスタートすると、一転して「A constellation」ではシリアスに歌い上げる。「私は一年間この日のために頑張ってきたので、今日は是非一緒に楽しんで、皆さんのパワーをもらって帰りたいなと思っています!」と挨拶を述べると、「SUNDAY MORNING」「Are you happy now?」「I'm your side」と緩やかに加速していくと共に、場内の温度を上げていった。

 「あっという間に3年経っちゃったんですけど、1年目は人の前ではちょっと強がって『全然緊張しないんだけど』って言ってたけど、本当は心の中では緊張してました(笑)。3年経った今は、もちろんいい緊張と共に、期待とワクワクが最初に立っています。今日は最高の夜にしましょう!」と2年前の本心を明かすと、そんな強がり混じりのファーストアルバム「Secret Code」より「傷だらけでも抱きしめて」と「Can't stop fallin' in LOVE」を力強く、そして切なげに歌い上げた。

 「9月10日に3枚目のアルバム『Are you happy now?』がリリースされました。9月10日は、私の23回目の誕生日でした。だからこそ自分の中で、すごくこのアルバムに対して一生懸命に作ろうという気持ちがより盛り上がったり、私の中で本当にスペシャルな一枚になってます」と自信作について触れると、そのアルバムの中から攻撃的なロックナンバー「Crash」と「Walking down the street」で激しい感情を露にした。

 ライブ前のインタビューでは「去年の“魅せる”ステージから、今年は“simple is best”をテーマに“聴く”ステージにしたい」と語っていた彼女。「今日このステージを見て、何か今までと違うなって思った人いません?今まで後ろに大っきい画面があったと思うんですけど、今年は取っ払いました。後ろの人は見えにくいかもしれないんですけど、しっかり私を見て下さい!」とロックボーカリストらしく自信に満ちた表情を覗かせる。

 メンバー紹介の後、「私もピアノをもうちょっとやっておけば良かったなぁ」と語る上木に対し、ギターの大賀が「いや、何を言ってるんですか?上木さんとはインディーズの頃から一緒にやっているじゃないですか。その時に上木さんがピアノの弾き語りをしてたのを思い出したんですよ。見たくないですか?皆さん」と呼び掛けると、客席からは盛大な拍手が沸き上がる。黙々とキーボードをステージに運び込むスタッフに最後まで必死に抗いつつも、潔く覚悟を決めた上木は急きょ「ミセカケのI Love you」を弾き語りで披露。演奏を終えて緊張から解き放たれると「来年はギターもやりたいと思います!」と観客に約束してみせた。

 「基本メニューに戻ります(笑)。ここからは、アルバムの中の特に私が気に入っている曲を歌いたいと思います」と、ミドルテンポの「いつの日も君だけ I Remember you」「Secret Night」「It's a beautiful day」を緩やかな表情で歌う彼女に導かれるように、会場全体が明るさを増していく。「Summer Memories」では、自らツアーグッズのサイリウム全5色を手に、色鮮やかな光が揺れる客席と一体になって、しっとりと歌い上げる。