Kra
 「ファンシー&メルヘンロック」をコンセプトに、ポップからロックまで幅広い音楽性をもつ新星ビジュアル系バンド、Kra(ケラ)。今年3月にファーストアルバム「dhar・ma」を発表した後、5月13日の広島ナミキジャンクションから開始した全国12公演のツアーが10日、東京・SHIBUYA-AXで最終公演を迎えた。

 舞台の幕が開くと、靖乃(ヤスノ/ドラム)、結良(ユウラ/ベース)、舞(マイ/ギター)、景夕(ケイユウ/ヴォーカル)が一人ずつ登場。景夕の「激しく行ってみようか!」の言葉を合図に「ヱン」(エン)からスタートした。セットリストは「dhar・ma」収録曲を中心に進み、景夕は所狭しとステージ左右を歌い歩く。2階席まで満員の観客は一体となってそれに応え、最後に景夕は「新しい曲ばかりだけど、アルバムを聴きこんでくれてありがとう」と感謝を伝え、本編最後の曲「I believe」を熱唱した。

 アンコールのMCでは、景夕が司会になって小堺一機の「ごきげんよう」のごとく、サイコロの目に出た題目にメンバー一人一人が答える場面も。「好きな人の話」と出た舞が「いつも好きな人はいるけど、好きな人は振り向いてくれない。」と告白すると、「ちょっと自慢話」が出た結良は「私は結構、裕福な世田谷の家庭に生まれまして〜」と全然ちょっとではない自慢話を聞かせる。再び「好きな人の話」の出た景夕が「好きな人?お前らだよ。他の女には興味ないよ」と会場中のハートをギュッとわし掴みにすると、靖乃は「今までバンドをやってきて下手なボーカルと組んだことがないのが自慢。その中でピカイチに上手いのがコイツ(景夕)」と綺麗に締めてみせた。

 アンコール最後の曲「日曜日」を歌い終えると、舞台の幕が閉じる。場内の照明が落とされると、舞台の幕には文字が映し出され、今秋にミニアルバムの発売と、10月11日の函館ベイシティストリートから11月21日の中野サンプラザまで、全国15ヶ所16公演のツアー日程が発表された。突然の出来事に場内が歓声に包まれる中、再び幕は開き、そこにはアーティスト写真同様に貴公子の様なメンバーの姿が。心憎いサプライズで「つたない言葉」をしっとりと歌い上げ、有終の美を飾った。

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