20日、経団連会館で会見する小野寺正KDDI社長

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KDDI<9433>の小野寺正社長は20日、東京都千代田区の経団連会館で会見し、17日に発生したシステムによる番号ポータビリティ(MNP)の障害について「システムの設計ミスがあり、申し込みに対して処理能力が不足したのが原因」と説明。利用者やNTTドコモ<9437>、ソフトバンクモバイルにお詫びすると述べた。

 例年申し込みが集中する3月を基準に、十分な処理ができるようシステムを設計したはずだったが、特定のハードディスクにトラフィックが集中するシステム構成上のミスがあった。ソフトバンクモバイルが10月末に2日間にわたりMNP受け付けを停止した際に、システムのチェックを行ったがミスを見逃していたという。小野寺社長によると、ハードウェアの増設やデータ処理の分散により、18日以降は問題なく稼動している。また、さらに申し込みが集中する年末と春商戦向けにシステムの増強策を検討しているという。

 MNPで市場があまり動いていないのではないかとの記者からの質問に、小野寺社長は「MNPで各社が競い、市場を活性化したのは間違いないが、(MNPを利用しない)新規顧客が想定より多いのは確か。番号が変わっても構わないと考える顧客が多いのでは」と答えた。

 携帯電話の販売奨励金については「いいと思っているわけではないが、すでにビジネスモデルとして確立しており、ハイ止めますというわけにはいかない。ワンセグ携帯など高機能な商品が日本で普及しているのは奨励金があるからで、一概に悪い面ばかりではない」と話し、継続は止むを得ないとの認識を示した。【了】

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