20日放送の「モーニングショー」(テレビ朝日系)で、アルベールビル五輪とリレハンメル五輪のノルディック複合・金メダリストの荻原健司氏が、競技ルール変更のウラ事情を暴露した。

番組では「渡部暁斗 悲願の金メダルへ!ノルディック複合ラージヒル 勝敗のカギは?」と題して、同日夜に開催される平昌五輪・ノルディック複合個人ラージヒルについて特集した。特集では、平昌のスタジオから中継をつないで出演した荻原氏が解説を担当した。

ノルディック複合個人ラージヒルは、前半がジャンプ、後半はクロスカントリー10kmを競う過酷な競技だ。かつて、日本選手は得意のジャンプで大幅にリードすることで、不得意なクロスカントリーをカバーしてきた。1992年のアルベールビル五輪、1994年のリレハンメル五輪と、荻原氏ら日本代表は2大会連続ノルディック複合団体で金メダルを獲得した。

しかし、ジャンプのポイントで圧倒的にリードする日本チームのスタイルに批判の声も多かったという。ルールも度々変更され、アルベールビル五輪ではジャンプ1ポイントあたりのタイム換算が6.7秒だったが、リレハンメル五輪では6.5秒に、そして2006年のトリノ五輪以降は4秒に縮小されている。

こうしたルール変更について、スポーツ情報誌「Number」は、「1990年代に日本は派手に勝ちすぎた。(タイム換算が日本に不利になった)背景にある発想を考えると、限られた国の利益を守るため、という見方も出来る」と、指摘しているという。

「Number」が指摘するウラ事情について、荻原氏は「スキー産業を支えている、特に有力な国というのは北欧だとか、中央ヨーロッパ、具体的にはドイツ、オーストリア」「こういった国が特にスキーが盛んですし、スキー全体の強力な、大きなスポンサーとして存在しています」と説明。

続けて「スキーの盛んな国の、スキー産業を支えている方々が、日本の選手だけ勝って、スキー人気が下がったら大変なことになると」「スポンサーシップをやっても良いことがないんじゃないかっていう。そういうような発想もあったと考えます」と、スポンサーサイドの目線で解説した。

一方で、荻原氏は「私も(ノルディック複合で)W杯出始めの頃は、最下位を何度も経験しました」「その中で順位を上げて、ようやく優勝したときに『ルールを変えなければいけない』っていう議論があって。非常に競技、あるいはスキー界の方々に不信感を持った」と、当時の心境を打ち明けていた。

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