同実習は職業訓練の位置付けで参加する人もおり、社会人や学生など参加者の属性や技術のレベルはさまざま。基礎知識を持つ受講者もいれば、受講にあたりパソコンを買いそろえた初心者も。ビジネスプランの内容も、運転代行の課題解決といった身近な課題を解決するウェブサイトから、広い市場に向けてリリースできる可能性のあるアプリまで多種多様。ただ何より、チームで完成させたプロダクトを自信を持って発表していたのが印象的に映った

 沖縄は第二次大戦による甚大な戦災を受けたことから、戦後に起業し育った企業が地場経済を支えている。起業率も全国トップで、起業マインドにあふれた土地だ。スタートアップにおいても、行政や金融機関も支援を積極化している。一方で、ベンチャーキャピタルの少なさを指摘する声があるほか、支援側の顔ぶれが固定化している印象もある。

 沖縄とアジアは、航空物流網の整備などが発端となり、ビジネスにおける心理的距離が近くなった。観光目的で多くの外国人も訪れる環境にある。自立的発展が課題となる中、グローバル市場への進出はその解として不可欠。沖縄が環境を生かし、意欲とアイデアを持った起業家を押し上げるには、支援側の多様化も求められている。