『地下施設を破壊するバンカーバスター。写真:AFLO』

「米国が、単独で北朝鮮を攻撃する、と大メディアや専門家が騒いでいますが、馬鹿げていますよ。北朝鮮の体制変更は中国にまかせる。それを確認したのが、トランプと習近平の米中首脳会談だったからです」

 そう語るのは、トランプ大統領誕生を的中させた評論家の副島隆彦氏だ。金正恩朝鮮労働党委員長に対する、トランプ米大統領の「斬首作戦」などありえない。緊張状態に入った世界情勢を冷静に見極め、副島氏は予言する。

「米国の目的は、北朝鮮の核兵器の無力化だけです。米国は、金正恩を挑発して、必ず先に北朝鮮に撃たせます。これが絶対条件です」

 真珠湾攻撃も、第一次世界大戦に米国が参戦する理由となったルシタニア号沈没事件もそうだった。

「まず、北朝鮮から韓国に向けてミサイルが撃たれるでしょう。目標は仁川の韓国軍基地か、鳥山の米空軍基地。この攻撃で少なくとも3000人から1万人の死者が出ます。だが、日本領土への北朝鮮からのミサイル攻撃はない」

 この北朝鮮からの先制攻撃後、即座に米国による爆撃が始まる。

「平壌は狙わない。爆撃後の交渉相手を失うからです。地下50mまで分厚いコンクリートを貫通する『バンカーバスター爆弾』を連続で撃ち込み、北朝鮮のすべての核兵器の製造拠点を破壊する。だが、米軍の地上兵力は上陸しません。トランプ政権の最優先事項は、米国兵士が外国で死なないことだからです」

 米軍による爆撃後、ただちに中国人民解放軍が北の国境線から進撃する。

「兵員は50万人でしょう。中国人民解放軍が、1週間以内に首都平壌を抑える。そして金正恩体制を崩壊させ、金漢率(キムハンソル)政権を作らせる。マレーシアで殺された金正男の長男です。これで北朝鮮での戦闘、戦乱はただちに収束します。金漢率は無事に米国国内に保護されていることが確認されています」

■日本はあくまで中立を貫け

 今月7日(現地時間)、米軍が巡航ミサイルでシリア軍施設を攻撃したのは、金正恩への警告と同時に、習近平国家主席を驚かせるためだった。

「米国はこういう脅し方を、かならずやります。1853年にペリーが日本に来たときもそうです。礼砲を撃って驚かしました。相手を心理的に圧迫し、譲歩と妥協を強いる作戦です」

 北朝鮮は中国の影響下にある国であることを、米国は認めている。

「日本はあくまで中立を貫き、戦闘に参加するべきではない。そんなことをすると日本にもミサイルが飛んできます。この騒ぎを利用して『憲法改正だ』という勢力が強くなるでしょう。だが1年後、北朝鮮は非核化される。そこまでを見据え、『憲法改正など必要ない』と冷静に反論し続けなければなりません」

(週刊FLASH 2017年5月2日号)