セメント工場建設に反対する女性グループ(出典:http://jakarta.coconuts.co)

写真拡大

地元であるのどかな村に新しくセメント工場が建つ予定であることを知った女性たちが、このほど自分たちの足をセメント漬けにして抗議活動を行った。女性が保守的で大人しいといわれてきたインドネシアだが、近年では自分たちの考えをしっかりと述べる女性が非常に増えているようだ。

このほどインドネシア・ジャワ島にて、9名の女性が「PT Semen Indonesia (Persero) Tbk」グループの新セメント工場建設に対する抗議活動を行ったことを『jakarta.coconuts.co』が伝えている。同社はインドネシアの国有企業で近年は事業拡大、海外進出にも力を注いでおり、Rembangにある国内最大手のセメント会社「PT. Semen Gresik」が、最大規模のセメント工場を彼女たちが静かに暮らす中部ジャワのKendong Mountainsという村に建設する予定であるという。

抗議活動を行ったのは大統領が暮らす宮殿“Istana Negara”の目の前。メディアのカメラマンらも多数招き、Riem Ambarwatiさん(32)ほか女性ばかりが木箱9台とともに横一列に並んで座った。血流と保温を考え、足首には白い包帯とビニールがかぶせてあるようだ。一方で、男性たちは大きなシートを広げてセメントを水でよく練り、木箱の中に入れられた女性の足に向かってセメントを注ぎ込むのであった。

女性たちは唄を歌いながら大きな声で「私たちのコミュニティにセメント工場を建設しないで」と叫び、なんとか統合参謀総長のTeten Masduki氏、統合幕僚副長Jaleswari V Pramodhawardani氏と対話することができた。しかしそれでは満足しない彼女たち。「ジョコ・ウィドド大統領に会わせてほしい」、「大統領と話すまでは帰らない」と一歩も譲らなかった。

こうして一夜を明かした女性たちは、木箱に足を固定された状態で仲間に抱きかかえられながらジャカルタに事務所を構えるNGO「法律援助協会(Jakarta Legal Aid Institute:LBH)」へ移動。「足のセメント漬けは“死んだ地球”を意味している」、「何より環境の破壊や生態系が狂うことを恐れている」などと主張しながら過酷な闘いを続けているもようだ。

出典:http://jakarta.coconuts.co
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)