ロシアの「憂鬱」は、深い根源的な原始性から直接漂ってくる、人間存在そのものを襲う憂鬱であった(写真:himagine9221/PIXTA)ロシアの文明を特徴づける精神性があるとしたら、それはドストエフスキーが描いたような「地下生活者」が、陰鬱さからの解放を求める狂気かもしれません。文明論者の佐伯啓思氏がロシアの根源感情を読み解きます。※本稿は、佐伯啓思氏著『神なき時代の「終末論」』から一部を抜粋・編集したものです