荒西祐大(ゆうだい)というサイドハンドの投手を初めて見たのは、彼が玉名工業高校(熊本)3年の春だ。毎年、春のセンバツを取材したあとは九州の春季大会を回っている。”春の九州”に興味があるのは、前年の秋には名前も知らなかった選手が「アッ!」と言わせるプレーを見せてくれるからだ。もう10年近くも前。藤崎台球場で行なわれた春の熊本県大会でのことだ。その年の熊本には、投手には本格派右腕の高野一哉(文徳高)