かつての北朝鮮社会で、地下経済を牛耳っていたのは在北朝鮮華僑だ。1982年秋の訪朝の際の体験談を綴った「凍土の共和国」(金元祚著)によると、華僑は幹部を買収して自由に商売をし、政府の役人も社会安全部(現在の人民保安部、警察)の幹部も見て見ぬふりをしていた。ところが、草の根市場経済が進展した今、彼らの立場はむしろ弱くなり、当局からの圧迫に苦しんでいる。中国当局は北朝鮮に協力し、自国に逃げ込んだ脱北者を強