2013年、日本一に輝いた東北楽天ゴールデンイーグルスは、その翌年、エースの田中将大が抜けるとチームの歯車が狂い最下位へと転落した。

28日、TBS「バース・デイ」では「楽天再建へ・・・驚きのチーム改革 大久保博元新監督に独占密着!!」と題し、今季より楽天の指揮を取る大久保新監督に密着した模様を放送した。

埼玉西武や東北楽天でバッティングコーチを務め、優勝に導いた経験を持つ大久保監督だが、2010年7月、選手への暴行行為や罰金徴収があったとしてチームを解雇された苦い過去がある。

当時を振り返った大久保監督は「確かにこうやったら暴行ですからね。“パチン”ってやっても。それを選手に対して頭パチンってやったことが暴行ってなった。しかも罰金を取ってたっていう。罰金取ってねぇよって。なんでだよっていう。今思えるのは全て身から出た錆だと思います」と語る。

だが、星野仙一楽天前監督が大久保監督をプロ野球界に引き戻した。番組のカメラにコメントした星野氏は「西武の中村（剛也）、中島（裕之）、ああいうのを誰が育てたんだろうと。ああ、デーブかと。あいつはデータをしっかり集めてこういう風な野球、こういう風なバッティングとか（という指導をする）。勿体ない」と語ると「色々問題は抱えていますけど、私自身もそうですもん。指導する時に時にはコツンといく時ありますよ。良い指導力を持っている男を受け入れないというのは野球界問題ある」と続けた。

事実、星野氏の狙いは的中。大久保監督が2012年、東北楽天のバッティングコーチに就くと、チームの打率は上昇し、翌年から二軍監督を任されるようになった。そんな大久保監督が今季チームの立て直しを図るにあたり実践する改革法とは、選手個人に対し“明確に試合に出る方法を伝える”というものだ。

キャンプの全体ミーティングでも選手個人の名を挙げ、具体的にキャンプの課題を伝えていく大久保監督は、その理由を「結果が全てだというのに、キャンプ前からレギュラーを決められていた時代が僕らにもあったので。そういう思いはさせたくないというのが一番強い。具体的に選手達に伝えていくのが僕のやり方」と話す。

実際のキャンプでも、大久保監督は、4年目の島内宏明に「盗塁は何盗塁いく？」と声をかけると「盗塁本当にしてくれるの？だったら試合に出るチャンスは出てくるよ。使いたくなるな」といい、岩崎達郎には「達郎がレギュラーを獲るとしたら3割打てるから。3割目指して守備では簡単なエラーをしないというのを磨いて」などと声をかけていった。