審査員もびっくり。メディア芸術祭の隠し通路を発見「妖怪ウオッチ」はここにあった

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「メディア芸術祭の作品展、ゲーム少ないよね」
「そう?」
「『妖怪ウオッチ』も『口先番長』も展示されてないでしょ?」
「あ、されてるよ」
「え? どこに」
「あー、ちょっと分かりにくいところなんだよ」
「どこ?」
「隠し通路があって」
「隠されてるの?」
「隠しとけってことなんじゃないの?」
「マジでか(怒)!」
「嘘です」
「嘘か!」
「隠してるわけじゃないんだろうけど。ちょっと分かりにくいの」
「うううむ、隠し通廊、見つけなきゃ!」
というわけで、また行ってきましたメディア芸術祭作品展。

こんにちは、メディア芸術祭エンターテインメント審査委員の米光一成です。
審査委員の飯田和敏くんに教わって、発見!隠し通路。

入って、アート部門の諸作品のなかをしばらく進むと、エンターテインメント部門があらわれ、
右手に「スライムシンセサイザー」がにょろーーんとしながらみょーーと音を立ており、

左手に「のらもじ発見プロジェクト」で、さまざまな看板が生成されてる。

その先に「Ingress」のリアルパワーキューブがあって、それを左手に見ながら進むと。

出口っぽい感じのところがあって。

あれ、この先はもう展示会場じゃないのか。
って引き返しちゃうと隠し通路は見つからないのだった。

ぐいっとそのまま歩いていくと、「プレイフルランジ」と書いてあるので、その上の矢印に従って進む。

すると、そこはゲームとマンガの園だ。
椅子と、テーブル。
隠されてる(←違います)だけあって、混んでない。
みんな、くつろいで、ニコニコしている。
ゆっくりできる。

飛びだす絵本と和紙の世界が美しい『TENGAMI』をカップルが「わー」と声をあげながら遊んでる。

大ヒットゲーム『妖怪ウォッチ2』をこどもが夢中になって遊んでいる。

その横で電子モジュールキットをマグネトでつないでシンセサイザーを作る『littleBits Synth Kit』で、こどもがごきげんに演奏してる。

・しりとり格闘ゲーム『口先番長』(レビュー→しりとりが、こんなにおもしろくなるとは!大人気ゲーム「口先番長」攻略法)もある。

などなと、メディア芸術祭エンターテインメント部門受賞作のゲームが座って遊べる。

ざぶとんと小さい机もある。
机にはマンガ。

異形の擬似家族の旅を描く幻想譚『五色の舟』(近藤ようこ/原作:津原泰水)
マンガ家を目指す若者を描く自伝的熱血マンガ『アオイホノオ』(島本和彦)
文化大革命の真っただ中で少年時代を過ごした作者が激動の中国を描いた『チャイニーズ・ライフ』(李昆武・フィリップ・オティエ・野嶋剛訳)
元受刑者が移住してきた村を描く『羊の木』(いがらしみきお/山上たつひこ)
ソヴィエトを舞台に義足の少女と従者の運命を描く『春のスネグラチカ』(沙村広明)
風俗店の店長として生きる女を描く『愛を喰らえ!!』(ルネッサンス吉田)
高級住宅街の近くの臭気漂う川を舞台にさまざまな人々を描く『どぶがわ』(池辺葵)
などなど。
マンガがじっくり読める。

ちょうど会場に入って、まんなかあたりにあるので、ちょいとひとやすみしていくのもいいだろう。

メディア芸術祭作品展示会に行ったときは、ぜひ隠し通路を発見して、たくさんのゲームとマンガを楽しむ宝箱をゲットしてください。

もうひとつ裏ワザ。
メディア芸術祭作品展示会を観た後、てくてく歩いてシネマート六本木へ。
ここにもメディア芸術祭受賞作品のマンガが読めるスペースがあります。
映像作品の上映も行っているので、ぜひー。

さらにもうひとつ裏ワザ。
メディア芸術祭作品展示会の横でやってる書作院展も無料。
文字文字文字の空間に圧倒されます。
「無」の文字が背中にあるTシャツが2000円。かっこいいよ。

(米光一成)