3ランホームランを放った中村剛也【画像:パ・リーグTV】

西武が楽天に勝利し、1日で最下位脱出

 西武ドームで行われた西武対楽天の一戦は、西武が序盤から打線が爆発し11得点。投げては先発の野上が9回2死まで完封ペースの好投を見せ、11-2で西武が勝利。西武は連敗を3で止めた。

 西武・野上、楽天・菊池の先発で始まった試合は、序盤から西武打線が爆発する。1回裏、1死1、3塁のチャンスで中村がレフトへの犠牲フライを打ち上げ先制する。

 2回裏には1死満塁から栗山の2点タイムリーヒットが出て3-0とリードを広げる。さらに2死満塁から菊池の暴投で1点を加え、迎えるのは4番中村。動揺の見える菊池は、中村への初球、スライダーが抜けてど真ん中へ。中村はこれを見逃さず、レフトスタンド上段へ飛び込む3ランホームランを放ち、西武はこの回一挙6点のビッグイニングとなった。中村は31号でメヒアと並び、パ・リーグホームランダービーのトップに並んだ。

 西武はなおも攻撃の手を緩めず、3回に脇谷のタイムリーと栗山の犠飛で2点を加え、4回には浅村のソロホームランで11点目。試合の趨勢は決した。

 投げては野上が8回まで3塁を踏ませぬ好投を見せ、完封ペースでの投球が続く。9回表も簡単に2死を取ったが、岡島にヒットを許すと、続くアンドリュー・ジョーンズがレフトスタンドへ2試合連続の22号アーチを掛け、完封を阻止。しかし野上は銀次を打ち取り、9回133球の熱投で完投勝利。5安打2失点6奪三振の内容で、8月22日の日本ハム戦以来、今季2度目の完投勝利となった。西武は直接対決を制して、1日で最下位脱出。逆に楽天が最下位へ転落した。

中村とメヒアのホームラン王争いから目が離せない

 この試合でホームランを放った西武の中村剛也は、序盤怪我で出遅れたものの、今季99試合に出場し31本のハイペースでホームランを量産。同僚で途中加入のメヒアは89試合で31本と、それを上回るハイペースでホームランを放っている。

 中村は過去4度(2008年、2009年、2011年、2012年)ホームラン王に輝いており、今年ホームラン王になれば通算5度目となる。過去通算5度のホームラン王を獲得しているのは、青田昇、中西太、落合博満の3人だけで、歴代3位タイの記録となる(1位は王貞治の15回、2位は野村克也の9回)。

 西武は今季借金が16で、これは西武球団創設以降2番目に悪い数字だ。1979年に所沢へ移転し、新生・西武ライオンズに生まれ変わった西武は、初年度こそ45勝73敗、借金28と苦しい船出となったものの、翌年から2013年までの34シーズンで借金生活に終わったのは僅か4シーズン。一番借金が多かったのは伊東勤監督時代、2007年の借金10だ。

 そんな強豪チームは今季、開幕から非常に厳しい戦いを強いられているが、オリックスのペーニャも含めた中村とメヒアのホームラン王争いは、未だ接戦が続いている。特に中村が通算5度目のキングを手にすれば、突出した長距離砲の証しとして、偉大な記録となるのは間違いない。

 また、メヒアの打席数は現在378で、西武の残り試合数を考えると規定打席到達は微妙なラインとなっている。仮にメヒアが規定打席未到達でホームラン王を獲得すると、2012年のバレンティン以来史上2度目の記録となる。

 過去の規定打席未満での最多本塁打数は、1988年のブライアントが記録した34本(74試合・302打席)と2003年にペタジーニが記録した34本(100試合・414打席)。2012年のバレンティンは31本(106試合・422打席)だ。

 ブライアントが突出した数字を残しているが、今季のメヒアも強烈なペースでホームランを量産しているのも明らかだ。終戦ムードが漂うチームではあるものの、中村とメヒアのタイトル争いからは、まだまだ目が離せない。

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